MOAB(大規模爆風爆弾)とは? 最強通常兵器を初使用 北朝鮮への警告か

アメリカのトランプ政権は、核兵器を除く通常兵器で最強の爆弾と言われる大規模爆風爆弾(MOAB)を初使用した。MOABとは一体、どんな爆弾なのか。

アメリカのトランプ政権は、核兵器を除く通常兵器で最強の爆弾と言われる大規模爆風爆弾(MOAB)を初使用した。MOABとは一体、どんな爆弾なのか。

アメリカ空軍の発表によると4月13日午後7時ごろ、アフガニスタン・ナンガハル州のIS (イスラム国)の拠点をMOABで攻撃した。MOABは、「トンネル複合施設」に対して、MC130特殊作戦機から投下されたという。

Open Image Modal

公開されたMOABの写真(撮影時期は不明)

■ニックネームは「全ての爆弾の母」

MOABの正式名称はGBU-43。Massive Ordnance Air Blast(大規模爆風爆弾)を略してMOABと呼ばれるが、その破壊力から「Mother Of All Bombs(全ての爆弾の母)」とも呼ばれている。

時事ドットコムなどによると、MOABは全長9メートル、直径1メートル、総重量10トンの超大型爆弾。核兵器を除くと、米軍が保有する爆弾の中では最大級で、最強の破壊力を持つとされる。

ベトナム戦争などで使われた「デイジーカッター」の後継として開発され、2003年に実験が行われた。広範囲の衝撃波によりキノコ雲が生じるほどの破壊力を誇る。イラク戦争では1発が実戦配備されたが、実戦で投下された事はなかった。人工衛星を使った誘導システムを搭載しており、命中精度が高くピンポイント爆撃も可能。

北朝鮮が再び核実験やミサイル発射を行うとの懸念が高まっている時期に、MOABを使用したことについて「北朝鮮への警告では?」という見方も出ている。

ブルームバーグによると、アメリカのトランプ大統領は今回の爆弾が北朝鮮への警告になるのかとの問いに対し、「これがメッセージを送ることになるのか分からない。それがどうであるかはどうでもよいことだ。北朝鮮が問題だ。この問題に対処することになる」と答えた。

■2003年3月のMOAB投下実験の動画