アニメ映画の巨匠・宮崎駿監督が長編映画の制作から引退すると9月1日、スタジオジブリが発表した。国内でもすでに「早すぎる」「またやるのでは」といった反応があるが、海外の反応はどうだろうか。ハフポストでも、アメリカ版、フランス版、スペイン語版で引退のニュースを取り上げているが、ここについたコメントをいくつか紹介する。
イギリス版では、引退のニュース記事こそないが2012年11月のブログで、スタジオジブリをピクサーと並び、「アニメ界の二大巨人」と讃えている。
ハフポスト海外版についたコメントも、おおむね宮崎監督の功績を称えるものだ。
■アメリカの反応
彼の映画はすっっっごく美しいし、夢のようだよ。大人だけじゃなくて子供も大好きだしね。
彼は「日本のウォルト・ディズニー」と言われているけど、それにふさわしい才能の持ち主だよ。引退するのは悲しいね。
いろんな外国映画があるけど宮崎の作品は字幕がいらない。アニメだけで楽しめる。外国の伝承とか昔話を知らなくても、一度観てほしいな。
辛辣な意見もある。
少数意見かもしれないけど、『千と千尋の神隠し』が代表作と言われるのが理解できない。もののけ姫もラピュタもナウシカもすごいと思うけど、「千と千尋」はアメリカではちょっと変すぎるよ。
(NYtoVT)
「伝説」って言葉、気安く使いすぎじゃないかなあ。確かに力量のある監督だけど、伝説、っていうのはもうちょっと他の人に使うべき言葉だと思うよ。
(otop016)
■フランスの反応
引退を考えなおして、また作品を作って欲しいな。
美しく、詩的な世界を私達にもたらしてくれてありがとう。
悲しいよ! でも彼の作品は私達の心のなかに残っている。『もののけ姫』の絵と音楽は最高だったな。
『千と千尋の神隠し』には衝撃を受けたな。詩的なタッチと日本独特の慣習、民俗が融け合っていた。まさに傑作だし、アメリカのアニメーションとは比べ物にならないレベルだと思うよ。
息子の吾朗が後を継ぐのかな?どういう終わり方をするにしても、私は彼のすべての映画が好きだよ。あれを「子供だまし」っていう人は嫌いだな。
(Bidul)
■スペインの反応
これは悪夢だ。一時の気の迷いであることを願うよ。
彼がもたらしてくれた作品のことを思うと、感謝の気持ちしかないよ。ありがとう!
(valenta)
彼の作品のストーリーや絵は、まるで夢の断片の組み合わせのようだった。巨匠・宮崎がもう作品を作らないのかと思うと寂しいよ。
(Eleana)
悲しいことばかりじゃない。これからは宮崎に劣らない才能を持つ細田守や新海誠にも注目してもらいたいな。
■日本の反応
ハフポスト日本版についたコメントも厳しいものが多い。
宮崎駿ならば、きっと監督を引退したその先も創造的人生は続くだろう(その恩恵に預かるのがアニメ消費者のような大衆であろうと彼の個人的な付き合いの範囲になろうと)。むしろ真に創造的な10年がこれからはじまるくらいなのかもしれない。今後の活躍にも期待したい。
宮崎監督引退後のジブリがどうなるかは気になる(ジョブズを失ったアップルくらいに)。私を含めてその能力の如何によらなければジブリを支えたがっている人は大勢いるだろう。ぜひとも後進の育成に手を、と思う。
監督の引退は残念です。特に以前、「紅の豚」の続編に言及していたので。
ヒコーキを素敵に操るダンディな豚は、私の中のヒーローです。
それはこれからも変わりませんが、出来ることなら続編がみたいなぁ。
でも考えてみれば、おとなしく引っ込んでいるような人じゃないですよね。多分。
(planar85)
後進が確かに育っているとは言えない現状がやや残念な気はしますが
宮崎駿を超える人材など望む方が無理かもしれません。
まさに今が潮時だと感じます。お疲れさまでした。
“申し訳ないが、発表の仕方が映画祭での記者会見というところで「これが最後の作品になりますので、この作品自体の評価だけでなく、これまでの功績も合わせて何か賞をください」と言っているようで、あまり良い気がしない。
※みなさんは宮崎駿監督の引退について、どう思いますか。