7月21日に投開票された参院選に、環境政党の「緑の党」から出馬した音楽家の三宅洋平氏。比例区で17万票を獲得し、同じく比例区から出て当選した自民党の渡邉美樹氏、社民党の又市征治氏よりも票数が多かったのに落選した。
東京新聞によると、三宅氏の得票数は比例落選者で最も多く、候補者162人のうち26位。横須賀市議会議員の小林伸行氏によると、比例区の上位30人の中では唯一の落選者だった。
ハフポスト日本版では23日に「三宅洋平氏、なぜ17万票獲得で落選? 参院選挙制度への疑問広まる」という記事を公開し、なぜ三宅氏が落選したのかを詳しく解説した。
参議院の比例代表制度は非拘束名簿制度という方式をとっており、政党名での得票と個人名の得票の合計で、各政党の当選者の人数がまず決まる。その上で、個人名の得票が多い人から順に当選するというシステムになっている。つまり、政党の中での順位を個人名の得票で決めているだけなので、泡沫政党だと、個人で大量得票をしてもまず当選できない仕組みなのだ。
ニュースを比較してみるブログでは、「緑の党」の選挙戦略の問題だったとして次のように指摘している。
緑の党がどうしても国政に議員を送り出したいのならば、三宅さんを選挙区で出馬させるべきだったのではないでしょうか。これは、選挙制度の問題ではなく、ましてや三宅さん個人の問題でもなく、比例代表区の性質を十分に活かしきれなかった緑の党の選挙戦略のミスです。
ハフポストの記事では、「参院の選挙制度がおかしい」と疑問視する声を中心に取り上げた。一方で7月28日現在までに、50件を超えるコメントが寄せられているが、選挙制度ではなく「選挙戦略の問題」とする意見が目立った。
個人ではなく政党を選出するのが比例代表という制度。だからまず、三宅と記入された票であっても三宅氏個人に対する票ではなく、一義的には緑の党に対する票であるということをよく認識すべき。個人名を記入するから、個人に投票していると感じがちだが、制度の趣旨はそうではない。そこを勘違いしてはいけないと思う。
(MaTsuGaMi 2013年07月23日 23時22分)
あくまで選挙区は候補選択、比例区は政党選択。他候補の得票数と比較して納得できないならば、三宅氏は選挙区で出馬すべきだった、のであって単に「選挙戦略を誤ったに過ぎない」という見解がノンバイアスではないか。
(senzor san 2013年07月23日 15時47分)
東京選挙区では50万票の鈴木寛さんが落選しています。その下の小倉淳さんも約30万票。三宅さんの約倍ですね。比例で出馬した以上、政党政治の日本では力のない自らの党を嘆くしかない。個人得票数で勝負したかったのなら、選挙区で出馬するべき。
(KYSI2013年07月23日 11時34分)
ただ、こうした意見に加えて、やはり「参院選の選挙制度が分かりにくいのが原因」と指摘する声もあった。
そもそも「非拘束名簿式」という不思議な制度をやめれば見た目上のおかしな現象は起こらなくなると思う。
(kenichi kus2013年07月23日 09時20分)
【※】今回の三宅氏の落選をめぐる議論を、読者の皆様はどう感じましたか?政党によっては得票数が少ない候補者が当選してしまう理不尽な制度とする意見もあれば、そもそも比例代表では政党を軸に選ばれるのだから個人の得票数を問題視すべきではないという意見もあります。あなたの意見をお寄せください。
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