宮川紗江選手が会見。コーチではなく日本体操協会からのパワハラを告白「オリンピックに出られなくなるわよ」

速見佑斗コーチからの暴力と、コーチの処分について問題に上がっていました
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記者会見する体操女子の宮川紗江選手=8月29日、東京・霞が関の弁護士会館
時事通信社

体操女子リオデジャネイロ・オリンピック代表の宮川紗江選手(18)が8月29日、専属である速見佑斗コーチに関するパワハラ騒動について、都内で会見を開いた。

宮川選手と速水コーチをめぐっては、速水コーチの「暴力行為を目撃した」と数人からの報告を受けた日本体操協会が、調査を開始。協会の聞き取りに対しコーチが暴力行為を認めため、8月13日付で無期限の登録抹消処分となっていた。

平手打ちはあったが「馬乗り殴打はない」

宮川選手は会見で、速水コーチから「事実として手で叩かれたり、髪を引っ張られたことはある」と発言。しかし、叩かれたことでけがを負ったことはなく、身体を痛めたことはないとした。

時期は「はっきりとは覚えていないが、いずれも1年以上前」と説明。報道にある「馬乗りで殴打」「髪を引っ張って引きずり回す」といったことは「一度もありません」と主張した。

今後については「今はそういう行為はない。今後も暴力行為を許すつもりはありません。コーチも反省して、私も事実を認めている」と言い「速水コーチと1から出直し、再出発したい」と述べた。

体操協会への不信を吐露

会見では今回の処分についての疑問と、体操協会に対する不信を吐露する場面もあった。

報道にあるような速水コーチからのパワハラではなく、体操協会から「今までパワハラを受けたと私は感じている」と話した。

宮川選手は、処分に至る過程を「納得のできない、不自然な出来事がいくつも起こっていた」とし、7月中旬にあった代表合宿の初日、 協会の塚原千恵子女子強化本部長らに呼び出され、「暴力の話が出ている。あなたが認めないと、あなたが苦しい状況になるのよ」と何度も言われたと主張した。

加えて「あのコーチはダメ。だからあなたは伸びない。私なら速水の100倍は教えられる」と言われたといい、今後も家族とともに速水コーチと一緒にやっていきたい旨を伝えると、「家族でどうかしている、宗教みたいだ」「オリンピックに出られなくなるわよ」などと高圧的な態度で話されたと語った。

世界選手権は辞退

この騒動について宮川選手は「速水コーチと引き離されてしまうんだ、という恐怖と苦痛で、すべてがおかしくなってしまいそうでした」と振り返った。

現在の状態については「睡眠が思うように取れず頭痛が治まりません。今の状況で日本代表の責任を持って戦っていくことは精神的にも肉体的にも不可能」といい、10~11月にドーハで開催される世界選手権を含め、今季は試合に出場しないことを発表した。