PRESENTED BY 三井不動産

月額3000円で直接アートをお届け。パラアーティストの経済的自立と、利用者の“飾りたい”を叶えるアートサブスク

「作品の良い・悪いに障がいは関係ないですから」三井不動産レジテンシャルとstudioFLATが仕掛ける新たなアートサブスクリプションが2021年に始まった。
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三井不動産グループである三井不動産レジデンシャルは、2021年7月よりパラアートサブスクリプションサービス「PARA ART サブスク by studioFLAT」※の提供を、「Kosugi 3rd Avenue The Residence」(神奈川県川崎市)にて開始し、続いて2021年12月からは「パークタワー新川崎」(神奈川県川崎市)においても導入しています。

マンション居住者がくらしに彩りを添えるアート作品と出会う機会を、月額 3000円でお届け。季節や気分に応じて月ごとに新しいアートと出会うことができます。さらに気に入った作品はそのまま購入も可能です。協業しているNPO法人studioFLATは、障がいの有無に関わらず共に生きる社会を目指し、アート活動を通してSDGsに貢献しています。本サービスでは、studioFLATに所属するパラアーティストの方々が、作品の制作に加えて、梱包やマンションへの配送業務を担い、パラアーティストの方々の安定した経済的自立支援を目指している点も特長です。

「PARA ART サブスク by studioFLAT」の取り組みについて、 NPO法人studioFLAT理事長の大平暁氏、studioFLAT所属アーティストの大槻蒼波氏、三井不動産レジデンシャルの村上由梨子氏に話を聞きました。

※ NPO法人studioFLAT:2019年5月設立。川崎市幸区の生活介護事業所を拠点にアート活動を展開。障がいのあるアーティストたちの経済的自立や新たな才能の発掘と育成、アートによるインクルーシブな社会作りを目指す。2021年5月、第1回 「かわさきSDGsゴールドパートナー」に認証。
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左から、NPO法人studioFLAT理事長の大平暁氏、studioFLAT所属アーティストの大槻蒼波氏、三井不動産レジデンシャルの村上由梨子氏

── 「PARA ART サブスク by studioFLAT」の特徴を教えてください。

三井不動産レジデンシャル・村上由梨子氏(以下、村上):「PARA ART サブスク」は、実際に描いた作品をアーティストの方々に届けてもらえるところが特長です。「PARA ART サブスク」を始めた「Kosugi 3rd Avenue The Residence」(神奈川県川崎市)はstudioFLATさんとの距離も近く、アーティストの方が直接お届けすることができます。居住者様にとっては自宅に飾る絵画をより身近に感じられる“地域密着のサービス”だと思います。

また、配送を月1回に絞っている点もポイントです。こうしてアーティストの方々の作品を届けることは 願わしいことである一方で、何でもお客様優位にして配送をより頻繁にしたり、フレキシブルにしたりしてしまうと、アーティストの方々にとって負担になってしまいます。彼・彼女らの働きがいも両立しなければ意味がないと思い、月1回に絞ることで持続可能なモデルにしています。

── 絵を描くほかにも、アーティストの方々が梱包や配送も担当しています。みなさんの反応はいかがですか?

NPO法人studioFLAT 理事長・大平暁氏(以下、大平):誰かのところに自分たちの作品がちゃんと届くんだという思いは、みんなの力になっています。障がいのある人たちが社会と関わる機会は非常に少ないのが現状です。以前は、展示会で絵の前にいてちょっとお話できることもあったのですが、コロナ禍ではそうした機会もなくなってしまいました。外部の人と関わることが少ないと、自分が社会と関わっていると実感することも少ないんです。

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studioFLATのアーティストの制作風景

だから、作品が届いている実感を持てることで、みんなが「もうひとつ頑張ろう」と思ってくれている感じがします。「あそこ(マンションの個人宅)に飾るじゃない?」と言うと、本人たちにも伝わりやすく、もうひと頑張りしたくなっていると思いますね。

配送日の今日も、蒼波さんは朝すごく緊張していて、 「行くよ」と言ったら、「本当に自分の作品を届けるのか」と何度も確認されましたね(笑)。

── 蒼波さん、絵をお客様にお渡しする時緊張しましたか。

studioFLAT所属アーティスト・大槻蒼波氏(以下、蒼波):(笑いながらうなずく)

大平:あはは(笑)。蒼波さんはstudioFLATに来て毎日制作をしていくなかで、すごく成長されて、今ではうちのエースです。蒼波さんの場合は、数カ月かけて描いていますね。もともとの絵は、お母様がサーフィンがお好きということもあり「波みたいだね」と話していたのですが、川崎市の別の企画で「お花を描いてください」とお題をもらったことをきっかけに、今のスタイルになっていきました。毎日ちょっとずつ、その絵が仕上がっていく。頑張り屋さんですね。

蒼波:うん。 

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── 今日のように、家に作品を持って行ったときはどう感じますか?

蒼波:(親指を立てる“いいね”のジェスチャー) 

大平:彼女たちがこうしてやりがいを持ちながら、経済的な自立を目指している点は、私たちstudioFLATの目標でもあり、「PARA ART サブスク」が目指すところでもあります。

── 障がいのある人たちの経済的な自立は、重要なテーマですよね。こうした取り組みを行うとき、三井不動産の強みはどんな点ですか?

村上:やはり「街づくり」を通じてリアルな場所を提供できることが当社の強みだと思います。グループ全体でみると、住宅や、商業施設、そしてホテルなど、さまざまな場所があり、そこで飾られているアートはたくさんあります。

今、アーティストの方々もやりがいを感じていただいているとお話がありましたが、それだけではありません。届けてもらう側も、描いている方が届けてくれることは嬉しく、その絵に対する思い入れがグッと上がります。ある居住者様は、チラシを見たときに、中学生の頃に障がいのある方のボランティアをしていたことを思い出したそうです。「改めて何か応援できることをしたいと思って申し込みました」と言っていただきました。

きっかけを作れることはとても大切に感じています。今の時代、「応援したい」「貢献したい」「寄付したい」と思っている人は増えていると思いますが、きっかけが少ないんです。ただ単にお金を提供することは好ましくないと思う人も多いなかで、ご自身が本当に欲しいと思うアートにお金を払い、飾って楽しみ、それがアーティストのみなさんの応援になるのは、あるべき姿なのではないでしょうか。

── ほかにはどんな方が利用されているのでしょうか。

村上:今日お渡しした方は、玄関に飾りたいとのことでした。毎月の配送で絵を替えて楽しんでいただいているので、季節感や気持ちを通してアートのあるくらしを楽しんでいただけていると思います。希望する方には、毎月交換することも気に入った作品を飾り続けてもらうこともできますし、購入していただくこともできます。

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studioFLATのアーティストの制作風景

── 今後、蒼波さんたちの作品や生活がどのようになってほしいですか?

大平:経済的な自立はハードルの高い目標ではありますが、こうした取り組みがきっかけとなって、どんどん蒼波さんの作品が売れて、そのうち「蒼波さんの作品、高くて買えないよ!」みたいな(笑)。ニューヨークで個展とかね。国内だけでなく、海外にはアートの大きな市場があります。アートフェアなどにも参加していきたいという思いはありますね。 

福祉とお金は、タブーではないですが、あまりセットにしてはいけないような風潮もあるようです。ただ、今回の取り組みのポイントは、お客様がただ「応援したい」という気持ちだけで注文していただけているのではなく、飾りたいと思ってもらえる作品のクオリティをアーティストのみんなが保っていることです。作品の良い・悪いに障がいは関係ないですから、 作品をきちんと見てもらえていることを踏まえて、経済的な自立への道を探っていきたいですね。

── 今後の展望を教えてください。

村上:「Kosugi 3rd Avenue The Residence」からサービス提供を開始していますが、川崎市には別の物件もあるので、studioFLATさんの負担にならない範囲で少しずつ広げていきたいです。

今まさに、当社グループのマンション内にあるアート作品について社内で話し合っていて、今後は、「こういう絵を飾りたい」「地元のアーティストの絵を飾りたい」「studioFLATさんの絵、蒼波さんの絵を飾りたい」といった想いを大切にしていきたいですね。

さらに、新しい取り組みとしては、共用部で飾っている絵を買えるような仕組みをエイブルアート・カンパニーさんと始めています。「多様化するお客様のライフスタイル、ニーズにお応えするサービスとは何か?」、一方で、「アーティストさんたちにとってのやりがいは何か?」と、それぞれの立場に立って一生懸命考えた結果、今回のようなサービスができました。今後も様々な方のニーズをくみ取ることで自然とSDGsにも貢献していきたいと思います。

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エイブルアート・カンパニーの協力のもと、共用部にパラアーティストの作品を展示し、入居者や購入検討者がアート作品をご購入できるサービスを開始。写真は、2022 年 3 月より入居開始の分譲マンション「パークホームズ横浜本郷台リバーサイドヴィラ THE EAST」のエントランス。

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三井不動産グループでは、ロゴマークの「&」に象徴される「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、グループビジョンに「&EARTH」を掲げています。

街づくりを通して、人と地球がともに豊かになる社会に向けた取り組みを「三井不動産サステナブルSTORY」としてお知らせしています。

今回は、「ダイバーシティ&インクルージョン」をテーマに、 あらゆる人々が安全・安心な時間を過ごし楽しむことができる街づくりに取り組み続けているなかで、三井不動産グループが新たに手がけるさまざまな「働き方」に関する取り組みを紹介しました。