今年4月に発覚した燃費不正問題の影響で、三菱自動車は多額の損失を被ることになりそうだ。同社の発表によれば、2016年度(2017年3月期)の最終損益は1,450億円の赤字になる見通しであるという。ただし実際の業績がどうなるか、正確なところは来年の3月が終わってみないと分からない。
この見通しは、三菱のここ数年の業績と比べると落ち込みぶりがさらに際立つ。最終赤字となるのは、同社にとって8年ぶりのことだ。三菱は2013年度(2014年3月期)に、前年度比83%増となる1,234億円の営業利益を計上し、2014年度(2015年3月期)には、北米三菱が7年ぶりの黒字となる5億円の営業利益を計上していた。
このように近年非常に好調に見えた三菱だが、先日の燃費不正問題が大打撃となってしまった。燃費測定で使われる走行抵抗の設定に関して不正が行われており、車種によっては実際の燃費が公表されている数値より最大15%も悪かったことが判明したのだ。
問題発覚後、日産が三菱自動車の株式34%を取得すると早々に発表したことから、三菱はルノー・日産アライアンスの下、汚名をそそいで再び利益を出せるようになるために、早急な体制改善を迫られることになりそうだ。しかし、燃費スキャンダルでもたらされた悪いイメージの影響の大きさを考えると、業績回復はまだまだ先の話になるだろう。
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
(2016年6月27日Autoblog日本版「三菱、燃費不正問題の影響で2016年度は1,450億円の赤字になるとの見通しを発表」より転載)
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