「ミス・ワールド2015」のカナダ代表に選ばれた中国出身の女優アナスタシア・リンさん(25)が、世界大会が開かれる中国に入国できなくなっている。リンさんが中国の人権状況を批判する活動を行っているため、中国当局が入国を拒否しているとみられる。11月27日、BBCなどが報じた。
リンさんは湖南省生まれ。13歳のときに母親とカナダに移住し、2015年5月にミス・カナダに選ばれた。
中国当局が「邪教」「中国の“オウム真理教”」などと位置づけている非合法の気功集団「法輪功」を支持。7月にはアメリカの議会公聴会で、中国当局が法輪功の信奉者を大勢殺害し、移植のために臓器が取り出されたと証言し、中国に対して抗議するようアメリカに求めた。
今回のミス・ワールド世界大会は、12月19日に、中国南部の海岸リゾート・海南島の三亜市で開催される。しかし、リンさんのもとには招待状が届かなかったため、ビザを取得できなかった。ただし、カナダ国民は三亜市到着時にビザを申請できる。そのためリンさんは入国を試みたが、香港の国際空港で乗り継ぎ便への搭乗を許可されなかった。
リンさんは自身のFacebookに声明を投稿。「中国政府は、政治的理由で私を大会に参加させない。私の信条を理由に、彼らは私を罰しようとしており、私が人権問題について発言することを邪魔している。他の多くの人も、同様の目にあっている。彼らは政府に異議を唱える人や、未承認の考えを持つ人を罰したり、学者やジャーナリストに言うことを聴かせるために、ビザを発行しないという手段をよく使う。これは、ミス・ワールドや冬季オリンピックを開催するような偉大な国として、ふさわしいやり方ではない」と主張した。
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