PRESENTED BY 公益財団法人公益推進協会

「ブランド品の全身武装は、もういらない」“青汁王子”が“あしなが王子”になったワケ

「社会貢献って、自分を良く見せるため?」そう思っていた三崎優太さんが、1億円の寄付を決意した。
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Masanori Sugiura

“元青汁王子”こと、実業家の三崎優太さん、31歳。

20代にして年商130億円を築き上げる輝かしい活躍の最中、約1億8000万円脱税の罪に問われ、2019年9月には有罪判決──。その手腕や言動、“しくじり”でも、世間の大きな注目を集めてきた存在だ。

そんな三崎さんが「三崎優太 若者のみらい応援基金」を、公益財団法人公益推進協会の中に基金として創設し、1億円の寄付を通して若者支援を行うことを発表した。

実業家にとってはコロナ禍で向かい風ともいえる状況の中、私財を投じて”あしなが王子”となり若者を応援しようと思ったワケとは?

“しくじり”からの再起を支えたもの

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三崎優太さん/ 18歳で株式会社メディアハーツ(現:ファビウス株式会社)を起業、2017年には「すっきりフルーツ青汁」を累計1億3,000万個販売し、年商131億円に。現在は、財務・会計、経営戦略、営業・マーケティングなど若手経営者への多岐にわたる事業支援を精力的に行う実業家として活躍。
Masanori Sugiura

── 「青汁王子」と呼ばれるようになるまでの経歴で、挫折を感じたことはありましたか。

三崎さん(以下、三崎) 高校を2回退学になっていて...。その頃からしくじってるんです(苦笑)。学生生活を全うできなかったことが、人生最大の挫折でした。退学後、バイトに応募してもことごとく落ちて「こりゃもうだめだ」と思い、本屋さんにふらっと入った時に目についたのがアフィリエイトの本。そこから事業を始めました。 

── 起業後、年商131億円の企業となり大成功されましたが、昨年は法人税法違反で有罪判決を受けました。”しくじり”から再起できたきっかけとは。

三崎 「こんなことやってないし...」という内容の報道もありました。でもずっと悩んでいても何も変わらないし、「今の自分に何ができる?」と考えて、SNSで自分の中の“真実”を発信することにしました。そうしたら応援してくれる人が増えて、自信をもらったんです。

もちろん、誹謗中傷もありましたよ。一度やらかすと、「悪人」というイメージが付きまとうことを痛感しました。それでも、SNSをやってよかったという気持ちの方が大きいんです。Twitter、Instagram、YouTube...多くの方々から届く声が、もう一回がんばってみようと思わせてくれたので。

──  SNSを通じて、若い世代の「変化」は感じますか。

三崎  すごく感じます。僕は同世代の経営者、悩みを相談できる友達がいなかったことがつらかったんです。今はSNSで繋がれるので、昔の自分と同じ思いをする若手の起業家や実業家が減っているのかな、と思います。情報にアクセスしやすいし、自分の時代よりも、若い人がチャレンジしやすい環境になっているのは感じますね。

一方で、失敗を恐れる若者が多いことも気になります。人と違うことをしたり、前例がない挑戦をしたりすることを好まない印象があります。それが今の若者の弱みかな。失敗を恐れずに一歩踏み出してみると、周りと大きな差が生まれる。それも伝えていきたいことの一つです。

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Masanori Sugiura

ブランド品で固めた“武装”は、何のため?

── 新型コロナウイルスという未曾有の状況。三崎さんご自身の事業もこれまで通りとはいかないこのタイミングで、基金を立ち上げようと思った理由は。

三崎 有罪判決が出て「ざまあみろ」と思う人もいたかもしれない。でも若い世代は、お金を稼いだ、目標を達成した、という結果を純粋に評価してくれました。そういう若者たちに、本当に感謝してるんです。

「コロナで仕事がなくなった」「希望が持てない」という声もSNSで多く寄せられます。そうした人たちに希望を見せてあげたいし、「ピンチはチャンス」。世界的な逆境ですが、みんなが諦めなければ乗り越えられると信じているので、自分の経験をもとにそのメッセージを発信していきたいなと思い、今、基金を立ち上げることにしました。

1億円、決して小さな金額ではないですが、自分でお金の使い道がなくて。昔だったらブランド品で全身武装してたんですけど、「それって必要なのかな?」と思って。それなら人のため、社会のために使いたいと思ったんです。

── その変化のきっかけを教えてください。

三崎 SNSのコメントを見ていて、困っている方々がたくさんいることに気づきました。こういう人たちを助けていきたいなと。SNSでのやりとりが、社会貢献のアクションにもつながっているんです。

年商130億円の会社を経営していたんですけど、「嘘だろ」「本当はお金持ってないんでしょ?」というようなことを本当によく言われました。信じてもらいたくて、高級車を買ったり、ブランド品で全身を固めたりしてたのかも。事件を経て、ブランド品で武装しなくなったんです。稼いだお金でいろんなことやってみたけれど、「何が残った?」と聞かれると、パッと出てこない。何のためにお金を使うのが良いんだろうって、考えるきっかけになりましたね。

でも、まさか自分が社会貢献をするなんてびっくりですよ。全く興味なかったし、社会貢献している会社って「自分のことよく見せたいだけなんじゃない?」って思ってました、正直。でも、利害関係抜きに社会貢献をしてみたら何が見えるんだろう?どんな景色を作り出せるんだろう?というのを、事件後考え始めました。

「お金持ち=悪」のイメージを変えるために

── 社会貢献の中でも、若者支援を選んだ理由は。

三崎 応援してくれた若者に恩返しをしたいというのと、18歳からビジネスをやってきた自分の経験を次の世代に伝えたいんですよね。自分が一番役立てる分野が良いなと思って、まずはビジネスから始めようと思いました。

エンターテインメントの分野での支援を考えているのも、コロナで娯楽が減っているから。そこを盛り上げていければみんなが喜ぶんじゃないかなと。僕自身がすごくゲーム好きというのもありますが。

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Masanori Sugiura

── 基金としては、ビジネス、エンターテインメントの2分野で支援することが決まっていますが、この先どんなことを計画していますか。

三崎 まずはビジネスコンテスト。ビジネスモデルやアイデアを募集して、最優秀賞には1000万円を助成します。あとは無料で使えるシェアオフィスを準備しています。そこを使ってもらいながら、僕がアドバイスをしたり、セミナーを開いたりしたいなと。

エンターテインメントでは、五輪正式種目である3人制バスケットリーグへの参入を目指して、球団を作っています。また、ライブやイベントが開催できない状況なので、オンラインフェスを計画してアーティストの支援につなげることも計画しています。

僕の構想ですが、今後、動物を救うプロジェクトなんかも始めたいなと。みんなが何に困っていて、何が求められているのか、耳を傾けながら決めていければ。

── 「希望が感じられない」という声も多いようですが、若者、社会に対してインパクトを与えられそうな手応えはありますか。

三崎 基金の設立を発表してから、若者からのコメントやメッセージが増えましたし、「暗い話が多い世の中だったけど、希望が持てた」という声もあります。10年違うだけですが、今の若者は自分の頃と全然違う。彼らのことがわからないからこそ面白いし、僕自身も学ばせてもらうことがあるのかなと思います。この基金で支援した若者が大成功して、僕を超えていって欲しいですね。

僕が若い頃って、堀江貴文さんがご活躍されていて「経営者ってすごいな」という流れがあったんですけど、今は「お金を稼ぐ=悪」みたいなイメージが強いのかなって。でも最近は、災害が起きたら寄付をする有名人も増えていて、そういう動きや、僕自身が発信できることも通して、お金持ち、お金を稼ぐということのイメージを本当に変えていきたいです。経営者って、自分の経営能力次第で何歳でも、いくらでも稼ぐことができる。すごく夢のある職業じゃないですか。

そして、「何度転んでも良い、何度失敗してもやり直せる」という、僕だからこそ伝えられるメッセージを発信し続けていきたいと思います。

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Masanori Sugiura

◇◇◇

「三崎優太 若者のみらい応援基金」は、ビジネスとエンターテインメントの2分野と、それに紐づく5つのプロジェクトで若者(満15歳~34歳)の支援をおこなっていくことを6月末に発表。その第一弾であるビジネスコンテストは、8月10日までエントリーを受け付けている。  

“あしなが王子”による若者への支援が、これからの日本の社会にどんな変化をもたらすのか。目が離せなくなりそうだ。