「ミレニアル(ミレニアム)世代」は1980~2000年生まれの世代を指し、アメリカではベビーブーマー世代を越える人口を持ちます。彼らが大きくなった頃には、すでにインターネットが普及しており、デジタルに対して抵抗感が全くありません。
加えて、2007年頃から始まったサブプライム住宅ローン危機や、金融危機の影響を受けた世代でもあり、車や住宅の購入意欲は他の世代と比べて低く、派手な消費行動をせず、結婚は遅くなりがちで親との同居も多いという特徴を持っています。
また、金儲けに走りがちな企業を嫌い、これまでのような広告・宣伝には影響されないなど、消費のパイは大きいものの、多くの企業がミレニアル世代向け戦略に苦戦しています。
しかし、レピュコムが行った調査では、2月7日(日)カロライナ・パンサーズvs.デンバー・ブロンコスで行われる第50回スーパーボウルは、この接触が難しいとされるミレニアル世代の興味を引くことに期待ができそうです。理由としては以下のミレニアル世代の傾向が挙げられます。
・75%の人が社会的活動をサポートする企業についてより考えている(関心がある)
・80%の人が社会的活動をサポートする企業の商品を買いたいと考えている
・90%の人がインターネットユーザーであり、80%の人がスポーツ観戦時にSNSを使用している
◆第50回スーパーボウルの社会的責任
第50回スーパーボウル運営委員会は、法人パートナーによる収益の内、25%をサンフランシスコベイアリーナチャリティーへ寄付することによって、今大会を"これまで以上に思いやりのある大会"にすることを目指しました。
また、低所得のコミュニティーで生活する子どもや若者、彼らの家族に対する機会不平等を無くすため『the 50 Fund』を創設し助成金を募っています。
レピュコムのサンフランシスコ支社コンサルティングヘッドであるマイケル・リンチは「調査(FANDNA)によると、ミレニアル世代の大多数は、社会的活動をサポートする企業についてより考えていて、これは要するに、社会的活動をサポートしている企業の商品をより購入する傾向にあるということを示している」と述べています。
さらにレピュコムのファン分析調査(SDNA)によると、アメリカに限らず世界各国のミレニアル世代は、一般の人々に比べて社会的テーマに対する関心度が高く、約70%の人々が環境保全に関心があるとしています。
第50回スーパーボウル運営委員会は、今大会が気候変動に与える影響を最小化出来るよう『Net Positive計画』を創始。また会場の「リーバイス スタジアム」は、施設へのエネルギー供給源としてソーラーパネルを活用し、フィールドの灌漑に再生水を利用、断熱と流水を防ぐために屋上庭園を持つスタジアムとして知られています。
◆歴史上、最も繋がりのあるスーパーボウル
社会的責任と環境との関連性を訴えている一方、第50回スーパーボウルは社会的繋がり、つまりミレニアル世代のスポーツ体験を増やすサポートをしています。
NFLパートナーであるTV局と、無料オンラインストリーミングサイト『CBSSports』を使い、これまで以上により多くの人々が試合を生放送で観戦することができるようになりました。
また、Facebookはどんな場所にいてもリアルタイムで試合を一緒に体験できる『Facebook Sports Stadium』を開発しました。
リンチは「スーパーボウルのような大規模なスポーツイベントは既に、何らかのアクションをしながらもセカンド、サードスクリーンへと接触するよう様々な施策を提供している。アメリカでは、テレビでスポーツを観戦しながら約90%の人々がインターネットを使用し、80%の人々がSNSを使用している」と述べています。
チケットを購入して観戦するファンも、リアルタイムとの関連性を保つことが可能です。カリフォルニアのシリコンバレーにあるリーバイス スタジアムは、SAP、 アップル、ヒューレット・パッカード、Facebook、Google、Yahoo!、インテルなどのグローバルテクノロジー企業に囲まれており、世界最先端のWi-Fiと移動体通信アクセス(Cellular)を提供しています。
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