【東日本大震災から8年】乳児用液体ミルクの店頭販売がスタート。江崎グリコの担当者「ついに市販できた」

試飲会に参加した女性「すぐに赤ちゃんが飲めるのは助かります」
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ベビーザらス錦糸町店で開かれた「アイクレオ 赤ちゃんミルク体験会」で、乳児用液体ミルクを娘に飲ませる女性
安藤健二

東日本大震災から8年を迎えた3月11日、国産初となる乳児用液体ミルクの店頭販売が始まった。江崎グリコの「アイクレオ赤ちゃんミルク」だ。消費者庁から販売に必要な許可を5日に得ていた。

■乳児用液体ミルクとは?

液体ミルクは、粉ミルクと違ってお湯で溶かす必要がなく、封を切ればそのまま飲める。災害時に母乳が出にくかったり、お湯が用意できないときに役に立ちそうだ。国内ではこれまで液体ミルクの販売が許可されていなかった。しかし、2016年の熊本地震の救援物資としてフィンランド製品が使われ、販売してほしいという子育て世代の声が高まった。こうした動きを受けて、2018年8月に国内販売が解禁されていた。

「アイクレオ赤ちゃんミルク」は125ミリリットルの紙パック入りで、税別200円。賞味期限は6カ月で、常温で保存できるという。自社の通販サイトでは5日から販売開始しているが、11日から全国のドラッグストアやベビー用品店でも取り扱いが始まった。

■「東日本大震災時には存在しなかったが、ついに」 

江崎グリコの広報担当者は、3.11の日に合わせて販売した理由を「東日本大震災時には存在しなかった国産の乳児用液体ミルクが、ついに市販できるようになったという意味を込めました。災害時の備えとして一般家庭でも意識してもらえれば」と話した。

この日、東京のベビーザらス錦糸町店で開かれた「アイクレオ 赤ちゃんミルク体験会」では、子育て中のお母さん約10人が参加。紙パックからストローで、使い捨てほ乳びんにミルクを移して赤ちゃんに飲ませた。

産後6カ月の晴奈ちゃんとともに参加した墨田区在住の高田千春さんは「お湯で溶かさなくて良くて、すぐに赤ちゃんが飲めるのは助かります。日本でも、いろいろなメーカーから出てくるといいですね」と話していた。

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紙パックにストローをつけて直接、ほにゅう瓶に注げるようになっている。
安藤健二