同性愛者軍人への差別禁じる、アメリカ国防省が表明 残る課題はトランスジェンダーの入隊

アシュトン・カーター米国防長官は6月9日、国防総省の機会均等政策として、「性的指向」を追加したことを発表した。アメリカ軍で同性愛者であることを理由にした差別が禁止される。
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Members of OutVets, a group of gay military veterans, hold a banner and flags as they march in the St. Patrick's Day parade, Sunday, March 15, 2015, in Boston's South Boston neighborhood. Until now, gay rights groups have been barred by the South Boston Allied War Veterans Council from marching in the parade, which draws as many as a million spectators each year. (AP Photo/Steven Senne)
ASSOCIATED PRESS

ワシントン -- アシュトン・カーター米国防長官は6月9日、国防総省の機会均等政策として、「性的指向」を追加したことを発表した。アメリカ軍で同性愛者であることを理由にした差別が禁止される。

今回の方針で、軍の要職への昇級が妨げられるなど、特定の階級の人々が差別から保護されるようになる。これまで適用されてきたのは、人種、宗教、性別、年齢、または国籍による差別だったが、ゲイやレズビアンの軍事関係者は、保護対象になっていなかった。

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アシュトン・カーター国防長官

カーター長官は国防総省のセクシュアル・マイノリティプライド月間の年次イベントで発表した。長官は変化をもたらすことを「誇りに」思っていると語り、誰でも平等に扱うことで、軍を確実に「ほかの連邦政府と同じように」機能させるという。

今回の発表で、カーター長官は軍も将来的に軍事力を維持するために、「多様性と一体性」を受け入れる必要があると強調した。

しかし今回の発表では、多くの人が懸念している問題については触れられていない。それは軍のトランスジェンダーの入隊禁止である。この方針については全く議論されていない。トランスジェンダーのアマンダ・シンプソンさんが商務省の顧問となった後に行われた国防総省の公開討論会でも取り上げられることはなかった。

それでも、国防長官ははっきりとは言わないが、禁止令の問題に取り組んでいるようである。

「アメリカ軍には、いかなる差別も入る余地はない」とカーター長官は述べた。「今日のアメリカの若者は、昔の世代より多様で寛容だ。これが、21世紀で競い合う唯一の方法だ」

アメリカで最高位の退役軍人でトランスジェンダーのシェリ・スウォコースキーさんは、カーター長官が禁止令について言及することを期待していた。彼女は9日の会見に女性として出席したが、男性兵士として着ていた歩兵隊の高級将校で正装していた。これは同室していた軍首脳陣に対し、トランスジェンダーの兵士は実在する、そして公然と任務を果たすことが許されるべきであるというメッセージを伝えるためだ。現在、軍では禁止令があるにも関わらず、推定で1万5500人のトランスジェンダーがひそかに働いている。

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シェリ・スウォコースキーさん

スウォコースキーさんはハフポストUS版に、「カーター長官に面会するか、少なくとも長官が話すとき視線の先にいたかった」と語った。

「愛する祖国に奉仕するために本当の姿を隠すよう無理強いされている人たちのために、私は目に見えるシンボルになりたいだけなんです」

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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