絵本作家で、ウサギのキャラクター「ミッフィー」の作者ディック・ブルーナさんが2月16日、老衰のため死去した。89歳だった。
ブルーナさんは故郷のオランダ・ユトレヒトの自宅で息を引き取ったという。
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BBCによると、ブルーナさんは1927年ユトレヒトで生まれた。父親が経営する出版社でデザインを担当し、イアン・フレミングの「007」シリーズやジョルジュ・シムノンの「メグレ警視」シリーズなどの装丁を手がけた。
朝日新聞デジタルによると1953年、『りんごぼうや』で絵本作家としてデビューし、55年に「ミッフィー」シリーズ第1作を発表。日本では石井桃子さんの訳で64年に『ちいさなうさこちゃん』というタイトルで翻訳された。
ガーディアンによると、ブルーナさんは息子がまだ子供だった頃、休暇で海に行った時、砂丘にウサギがいるのを見かけた。その後、息子を楽しませるためにミッフィーを作ったという。「ミッフィーが、今のような現象を引き起こすキャラクターになるなんて思いもしませんでした」と後年振り返っている。
ユトレヒトのミッフィーミュージアム周辺にあるミッフィー像には、ブルーナさんを追悼して花束が捧げられていた。
「ミッフィー」シリーズは50カ国以上で翻訳され、合計で8500万部以上売り上げた。
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2011年に、「ミッフィー」シリーズ最後の絵本を発表し、東日本大震災では涙を流すミッフィーのイラストに「日本に祈りを捧げます」というメッセージを送ったが、ここ数年、ブルーナさんは人前に姿を現さなくなっていた。
ユトレヒトのミッフィーミュージアムは、ブルーナさんを追悼するツイートを投稿した。
今日、ディック・ブルーナが逝去したという悲しいニュースをお伝えしなければなりません。
SNS上ではブルーナさんを追悼する投稿が相次いだ。
ディック・ブルーナ、とても愛されているミッフィーを作ったオランダ人イラストレーターが亡くなった。
ディック・ブルーナさん、安らかに。
ありがとう、親愛なるディック・ブルーナ。私の子供時代にも、そして私の子供も、ミッフィーのおかげでよりよい人生を送ることができています。
ハフィントンポストUK版より翻訳・加筆しました。
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