マイクロソフトが、旧式のウェブブラウザーInternet Explorer(IE)を使い続けるのは危険だとして、その使用をやめ、最新のブラウザーを使用するようもとめています。
多くの一般ユーザーはとうにWindows 10の標準ブラウザーであるEdgeへの移行を済ませていると考えられるものの、企業や団体などではアップデート が提供されない業務用ウェブアプリケーションを使い続けるために、いまだIEを使い続けているケースもあります。
しかし、マイクロソフトのサイバーセキュリティアーキテクト、クリス・ジャクソン氏は、IEを使い続けることが企業に「技術的負債」をもたらしていると述べました。つまり、IEを使うということは長期的に見て最適な選択なのではなく、単に楽で移行の手間がかからないからそうしているだけで、かえって余分なコストを生み出しているということです。
ジャクソン氏はひとつのシナリオとして、Internet Explorer 6で後方互換モードが搭載されて以降、多くの企業が最も互換性ある簡単な方法として古いブラウザー用に作られたウェブページやアプリケーションを使い続けているとの考えを示しました。
2014年、マイクロソフトはこの問題を軽減するため、Internet Explorer 11にエンタープライズモードを実装しました。エンタープライズモードは新しいバージョンのIEでIE 7もしくはIE 8をエミュレートするように作られており、古いブラウザーに最適化されたウェブページをほぼ意図したとおりに表示する機能です。ただ、だからといってInternet Explorerで大丈夫というわけではありません。
IE 8~10のサポートは2016年に打ち切られています。そして多くのウェブアプリケーション開発者は、いまやIEの表示互換性を考慮していません。
業務用や産業向けのWebアプリケーションは高価で、長期間使わなければ元が取れないことは理解でき、IEで古いWebアプリケーションを使い続けるのは楽で便利かもしれないものの、最新のモダンブラウザーに移行するほうがセキュリティ的にも安全かつスマートで、長期的に見てもよりよい選択になるはずです。
(2019年2月9日Engadget日本版「マイクロソフト、企業にInternet Explorerの使用をやめるよう要請。「IEは技術的負債もたらす」」より転載)
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