マイクロソフト社は、自閉症の人々を今年5月から試験的にフルタイムで採用すると発表した。採用地は、ワシントン州レドモンドにあるマイクロソフトの本社。多様な人材を受け入れる職場を作るための、大きな前進だといえる。
マイクロソフト社の広報担当者はハフポストUS版に、まずは10名を採用する予定だと話してくれた。
4月3日に掲載したマイクロソフト社のブログの中で、ワールドワイド・オペレーションのコーポレート・バイスプレジデントを務めるメアリー・エレン・スミス氏は「マイクロソフト社は、機会を広げることでその力を発揮します。わが社の多様な顧客層を象徴するように、従業員たちも多様です」と述べている。
「自閉症の人たちは、マイクロソフト社が求めている強みをもっています。それぞれに個性があり、素晴らしい記憶力を持つ人もいれば、深い思考力を持つ人もおり、数学やプログラミングに秀でている人もいます」
スミス氏の19歳になる息子も、4歳の時に自閉症と診断されたという。「マイクロソフト社は、すべての社員が自分の可能性を最大限に発揮できるように支援をしています。この社の信念と、そして息子が私に与えてくれた感動が私自身を動かす原動力であり、今の私がある理由でもあります」
自閉症の人々を採用しようという動きは各社に広まっており、マイクロソフト社の今回の取り組みもその流れのひとつだ。そして自閉症を持つ人々の就業支援を行なうデンマークのSpecialisterne社の協力を得て実施されるという。
Specialisterne社はすでに同様のプログラムをインド、ドイツ、アイルランドで実施して成功をおさめている、とウォール・ストリート・ジャーナル紙は伝えている。
2014年にSpecialisterne社が支援をしたドイツのソフトウェア大手SAP社は、2020年までに自閉症の社員を650名採用することを目標に掲げており、実現すれば、全従業員の1%を占めることになるそうだ。
マイクロソフト社は近年、労働基準の向上に積極的に取り組んでいる。アメリカでは、従業員が有給休暇を取る権利が保障されていないが、マイクロソフト社は国内の主要な請負業者に対して、従業員に年間15日以上の有給休暇を与えるよう求めている。ホワイトハウスが着手できずにいる課題に、先行して取り組んだかたちだ。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:遠藤康子/ガリレオ]
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