マイケル・フリン氏とは何者か トランプ政権の国家安全保障補佐官、イスラム嫌悪を扇動

「イスラム教徒に恐怖を感じるのは当然のことだ」
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ドナルド・トランプ次期大統領は11月18日、国家安全保障を担当する大統領補佐官に、マイケル・フリン元国防情報局長官を指名した。

フリン氏は元陸軍中将で、大統領選でいち早くトランプ氏支持を打ち出した。イスラム教を「癌」と呼び、イスラム教徒に脅威を感じるのは「当然のことだ」と発言する、イスラムに対する恐怖心と嫌悪を駆り立てた人物だ。

フリン氏はトランプ氏が掲げた外交政策に大きな影響を与えた。有事の際、トランプ氏はイスラム蔑視を隠そうともしないフリン氏の意見に大いに耳を傾けることになるだろう。

2016年8月、フリン氏は全世界に約16億人の信者がいるイスラム教について、「宗教を隠れ蓑にした政治的イデオロギー」だと発言した。また、テロ組織が教徒を「敵の内部に潜入」させるとして、イスラム教を「癌だ」と表現し、人々がイスラム教徒を恐れるのは「当然のことだ」とツイートした。

イスラム教徒に恐怖を感じるのは当然のことだ。このことを、他の人にも広めてほしい。真実はどんな疑問も恐れない。

フリン氏のマネージメント手法は批判を浴び、2014年には上層部との確執から国防情報局長官の役職を解任されている。フリン氏は、自身が長官職を失ったのはオバマ政権の対テロ政策に反対したからだと主張し、オバマ大統領が「イスラム過激派によるテロ」という表現を用いないことを非難した

フリン氏は2016年7月、ニューヨーク・ポスト紙に掲載された論説のなかで、イスラム世界は「西洋の優越」と比較して「とんでもない失敗作」だと記述した。

「私たちはイスラムのジハード(聖戦)の原理に対抗できなかった。ジハードの原理を支持しているのはイスラム世界のほんの一部であり、誰もが、とりわけほとんどのイスラム教徒自身が、イスラム世界はとんでもない失敗作だとわかっている。そしてイスラム世界には西洋社会に優越性をもたらしたのと同じような経済、文化、教育の改革が必要だとも理解している」

フリン氏のイスラム嫌悪は、トランプ氏の公約「イスラム教徒のアメリカ入国を禁止」にぴったりと合致する。トランプ氏の政権移行チームはアメリカ国内のイスラム系移民を対象とした登録制度の導入を検討しているという。トランプ氏の当選以降、イスラム教徒や移民、マイノリティに対するヘイトクライムの件数が増加している。

フリン氏が事実を正しく分析し、常に優れた判断力を発揮してきたとは言いがたい。ニューヨーク・タイムズによると、フリン氏が国防総省に勤務していたとき、職員たちは事実に基づかない彼の主張を「フリン・ファクト」と呼んでいたという。 大統領選の数日前、フリン氏は民主党候補だったヒラリー・クリントン氏の私用メール問題に関する嘘ニュースをツイートした。7月には、反ユダヤ的なメッセージも投稿したが、後に謝罪している

フリン氏の息子(父親と同じくマイケルという名前)は、国際コンサルティング企業「フリン・インテル・グループ」で父親の補佐役を務めている。CNNによると、フリン氏の息子は度々SNSに陰謀論を投稿している。その中にはヒラリー・クリントン氏の主任補佐官を務めるフーマ・アベディン氏がエジプトのイスラム組織「ムスリム同胞団」と通じているとか、トランプ氏と共和党の大統領候補を争ったマルコ・ルビオ上院議員はゲイで、コカインを乱用したというものもあった。

フリン氏は選挙戦でトランプ氏に助言する一方、世界中の顧客を相手にしたコンサルティング業も行っていた。顧客の中にはトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と強いつながりを持つ人物も含まれる。フリン氏は、政府の役職に戻ることになればビジネス上の人脈とは手を切ると誓っている。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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