個人間での商品売買ができる人気フリマアプリ「メルカリ」で、現金が額面より高値で売買されているとして、Twitter上などで話題になっている。
ハフィントンポストの取材に対し、メルカリの広報担当者は4月24日、現在発行されている紙幣の出品を22日から禁止した、と回答した。
■なぜ現金売買?
同社によるとアプリ上では、元々、コレクション用として、古いコインなどを取引するユーザーがいた。
コレクションカテゴリーの中にはそうしたやり取りが行われている「貨幣」という専用のカテゴリーも設けられている。
しかし、その中に、現在発行されている紙幣が出品される例が見つかり、それがTwitter上などで報告されると、驚きが広がった。
例えば、「1万円札4枚」は4万7300円程度で販売されている。さらに、その中には、売買契約が成立した印が付いているものもあった。
一見意味不明なやり取りが、なぜ行われているのだろうか?
実際に売買した人の目的は不明だが、Twitter上などで有力な説として推測されているのが、「クレジットカードの現金化」だ。
借金の返済に困った人などが、クレジットカードのショッピング枠を利用して現金を購入すれば、一時的に現金を手にすることができるからだ。ただし、結局は借金の総額は膨らむことになる。
■メルカリ側は「把握できていないものもございました」
ハフィントンポストでは4月24日、メルカリにこうした問題についての見解を聞いた。
メルカリは「現在発行されている銀行券・貨幣は22日から出品を禁止し、既に出品されている商品につきましても順次対応を進めています」と回答した。
——メルカリ上での現金売買を把握されていますか?また、ユーザー間の現金の売買そのものについては規制されていないということですが、貴社では適切であるとお考えでしょうか?その理由についても教えてください。
希少価値の高い硬貨・紙幣の取引については把握しておりました。
一方で現在発行されている銀行券・貨幣の取引については、出品者の商品説明や出品者と購入者のコメントのやりとりから、マネー・ロンダリングに繋がる恐れのあると認められるものを除き、今回話題となるまで把握できていないものもございました。
不適切な取引と考え、先週22日より現在発行されている銀行券・貨幣は出品を禁止し、既に出品されている商品につきましても順次対応を進めています。
——「(コレクション性があるとは言えない)現金が額面以上で売買されることは、クレジットカードの現金化が目的ではないか」という指摘があります。貴社ではこの指摘が正しいとお考えでしょうか?
今回の報道等を受けまして、現在発行されている銀行券・貨幣の出品についてはマネー・ロンダリングを目的とした行為の可能性があると考え、より厳しく対応していく方針です。
——今後、規制を検討される予定はありますか?
メルカリでは、利用規約上、マネー・ロンダリングを目的とした行為を禁止しています(第8条(33))。これについては、これまでも削除対象として取り締まってきました。
今回の報道等を受けまして、現在発行されている銀行券・貨幣の出品についてはより厳しく対応していく必要性があると考えており、現在発行されている銀行券・貨幣の出品は、マネー・ロンダリングを目的とした行為に該当するとして取り締まっていくこととし、先週の22日より順次対応を開始しております。
具体的には、24時間体制で、監視ツール及びカスタマーサポートメンバーによる目視により禁止出品物の監視をし、該当する出品があった際は順次削除対応しております。また、お客さまからの通報にもカスタマーサポート内に通報対応チームを配置し、順次対応する体制を整えています。
■旧札でもマネロン目的はダメ
一方で、24日現在では、現在有効な銀行券のうち「現在発行されている銀行券・貨幣」ではないが、一般的に使われている紙幣が出品されている例もある。
規制の「抜け穴」を狙ったのか、例えば、夏目漱石の千円札や、新渡戸稲造の五千円札など一世代前の紙幣について、出品者が「コレクション目的」「旧札です」などと表示している例も24日現在では見られる。
コレクション目的とそれ以外とはどのように線引きするのか?
メルカリの広報担当者は以下のように話している。
現在発行されている銀行券・貨幣の出品について取締を行っておりますが、コレクション性のある紙幣は取締を行っておりません。
しかし、ご質問頂いたようなコレクション用の旧札でも、マネー・ロンダリングに繋がる恐れのあると認められるものは、カスタマーサポートメンバーによる目視により監視をしております。(線引きについては)当社カスタマーサポートで監視し、禁止出品物に該当しないか個別に判断してまいります。
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