畑に除草剤を撒かれ、メロン6600玉が全滅した北海道・富良野の「寺坂農園」。クラウドファンディングで1800万円を超える支援金が集まった。
農園の代表・寺坂祐一さんは2月7日、ハフポスト日本版の取材に対して、「世界がガラッと変わりました」と喜びを語った。
事件が起きたのは2017年7月。何者かによってビニルハウス6棟に除草剤が撒かれ、6600玉が台無しになった。1500万円以上に上る被害額は、農園の経営を苦しめた。
そこで助けを求めたのが、クラウドファンディング。大手クラウドファンディングサイトMakuakeで1月29日、プロジェクトを立ち上げたのだ。
事件の被害額などを合わせた1600万円を集めることを目標に設定し、支援を呼び掛けていた。
プロジェクトは、ハフポスト日本版を始めネットメディアなどでも取り上げられ、大きな反響を呼んだ。その結果、わずか4日後の2月2日に目標金額の1600万円を達成。
7日午後5時現在で、1589人から約1800万円を超える資金が集まっている。
寺坂さんは2月7日、ハフポスト日本版の取材に心境などを明かした。
ーープロジェクトの達成おめでとうございます。今の心境を聞かせてください
ただただ感謝です。事件の後は、犯罪行為の穴埋めをするために働いていかないといけないのかと思うと本当につらかったです。誰と会っても、除草剤を撒かれた寺坂だというイメージが付いてしまいました。
それが今回のプロジェクトを達成して、世界がガラッと変わりました。助けてくれる人がこんなにたくさんいるなんて素晴らしい。
ーー達成できると思っていましたか
クラウドファンディングは知識がなかったので、どうなるかは全く分かりませんでした。1000万円超えは無理だろう、数百万円集まれば本当にありがたいと思っていたのですが、初日で900万円、2日目で1200万円も集まりました。まさかという驚きと感謝でいっぱいです。
ーープロジェクトに対してどんな反響がありましたか
支援してくれた人が、(支援金が集まっていくのを)自分のことのように喜ぶコメントをしてくれて、とても嬉しかったです。目標金額が達成した後でも、支援の申し込みが続いています。
応援する声が圧倒的でした。「人のあてにするな」という否定的な声もあったのですが、それに対して他の人が私をフォローするコメントしてくれたりして、とても嬉しかったです。
ーー目標金額を大きく超える金額が集まりました。その分のお金の使い道はどうされるのでしょうか
あまりにも早く達成してしまったので、慌てて農園の社員と相談しました。支援してくれた人の思いを考えて、安心してメロンを育てていくため、さらなる防犯設備の強化のために使う予定です。
ーー今後の方針や抱負を教えてください。
(事件の)マイナスがゼロになって一安心です。再出発するためのスタートラインに立つことができ、みなさんにはただただ感謝です。これから安心して産地直送の農業を続けて、みなさんに美味しいメロンを届けていきたいです。
支援してくれた方へのお礼の品などは、4月27日にプロジェクトを締め切った後、順次送ります。