COURTESY MELANIE GAYDOS
この世界は多種多様だ。これはファッション業界がその多様性を実現する斬新な取り組みだ。アメリカ・シアトルを拠点に活動するモデルのメラニー・ゲイドスさんはこのプロジェクトに加わりたいと望んでいる。
ゲイドスさん(28)は髪、爪、歯、肌、汗腺の正常な成長を妨げる「外胚葉異形成症」という遺伝性疾患を抱えて生まれた。ファッション業界に関わるゲイドスさんは、同じような境遇の人々が、型にはまったモデルの世界で自分の場所を見つける上で力になっている。
NFED(外胚葉異形成症のためのアメリカ国立財団)によると、アメリカでは20万人以下の人々がこの疾患を抱えている。この病気の人たちはそれぞれ異なる障害を持つ。外胚葉異形成症には180以上のタイプがあり、診断によって症状はさまざまだ。
ゲイドスさんの場合は、生まれつき両側の口唇口蓋裂だ。また汗腺、髪、歯、爪の形成に影響を受けた。ゲイドスさんは子供の頃、変形した歯、目、耳を直すために40回近く外科手術を受けたという。
「私は確実な(外胚葉異形成症の)対処方法を見つけました。それは自分の体をどう認識し受け入れるのか、どう見えてどう機能するのかを考えるだけです」とゲイドスさんはハフポストUS版に述べた。
ゲイドスさんは、自身の話を通じて、他の誰かが「与えられた自分の体に満足する」ことができるようになればと願っている。
この病気は、外見だけに影響を与えるわけではない。ハリウッドにあるジョー・ディマジオ小児病院のラターニャ・ベンヤミン小児皮膚科医長によると、汗をかいたり体温調整ができなかったりするのも共通の症状だという。そのため気温が高いときに体が熱くなりすぎてしまうので、余分な水分、日陰、エアコンがより重要になる。
「彼らは熱中症や異常高熱症になる可能性があります…(外胚葉異形成症の)患者が確実に温度調節できるようにさせたいです」とベンヤミン氏は語った。
ゲイドスさんは、子供のときは十分な量の水を飲める気がしなかった。しかし大人になった今は、もう少し楽に、異なる天候に対応できていると述べた。
ヘイドスさんはファッション性の高いモデルの世界に入りたいと考えている
COURTESY MELANIE GAYDOS
「(私の体は)まったく気になりません。一度も気にしたことはありません。若い頃を除けば。でも外胚葉異形成症から生じる問題について気にしてしまうのは、単に他の人がそれを問題だと感じるからなんです」とゲイドスさんは述べた。
ゲイドスさんは歯がないことも挙げた。ゲイドスさんは2年前に義歯を試そうと歯のインプラント治療を受けたが、最終的に義歯は使わないと決めた。
「私は長年歯がない状態で生活できました。まだ食べることができます。歯をつければ…周りの人たちが喜ぶだけです」とゲイドスさんは語った。
COURTESY MELANIE GAYDOS
ゲイドスさんは、自分の病気のためモデルを職業にするとは思ってもみなかったという。しかしニューヨークのプラット・インスティテュートでアートを学んでいた時、写真の撮影対象になってみようと思いついた。
そこで憧れのカメラマンにメールを送ると、何枚か写真を撮らせてほしいと誘いを受けた、とニュースサイト「デイリー・ビースト」が報じた。
ゲイドスさんは今、ファッション性の高いモデルの世界に入ることを目指している。最近イギリスのファッションカルチャー誌『i-D magazine』夏号の撮影を終え、今後数カ月はヨーロッパでの仕事でいっぱいだという。
外胚葉異形成症には特別な治療法もないが、ライフスタイルを少し工夫すれば健康状態を管理することができる。この疾患を抱えた人の中には、肌、爪や歯、髪の形成手術を受ける人もいる。またゲイドスさんのように、それがなくても幸せだと感じる人もいるかもしれない。
ゲイドスさんの写真はこちら:
ハフポストUS版に掲載されたものを翻訳・編集しました。
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