マクドナルドはこの日、未発表となっていた2015年12月期の連結決算予想をやっと発表。最終損益は380億円の赤字となる見通しを明らかにした。前期の218億円の赤字に続き、2年連続での大幅な最終赤字となる。
業績回復に向けた施策の一つとして、マクドナルドは店舗改装の加速を掲げた。改装はもともと計画されていたもので、今後4年間で全国の約2000店舗を改装し「モダンな店舗」の割合を現在の25%から90%に増やす方針だったが、計画を前倒しし、2015年度中は約500店舗の改装を行うとした。マクドナルドの広報担当者はハフポストの電話取材に対し、改装を行わない店舗は、店舗が借りている建物主との契約が短いなどの改装が効果的ではないと判断する店舗だけで、ほぼすべての店舗で実施すると述べた。
「モダンというのはコンセプトであり、全国一律、同じような内容で改装を行うのではありません。例えば都市部ではサラリーマンや学生客が多いですが、郊外では家族連れが多い店舗もあります。これだけをとっても、店舗の椅子の高さや机のデザインが異なります。子供の来店を想定する店舗では、遊具を置くスペースをつくることもあります」
店舗閉鎖は、この改装資金を確保するためだ。マクドナルドではこれまでにも、2013年に182店、2014年には111店を閉鎖した。このとき対象となったのはキッチンの広さを拡大できずに全メニューを提供できなかったり、月商が1000万円以下だったりといった小規模店舗だった。小規模店舗のオーナーには資金力がなく、店舗改装の投資ができないなどのデメリットがあった。今村朗・財務本部執行役員は2014年2月、「閉店店舗の1店舗当たりの売上高と新店の1店舗当たりの売上高は2.2倍の開きがある」と指摘していた。
マクドナルドの広報担当者は、今回の戦略的閉店は採算の取れない店が対象だとしたうえで、改装店舗と閉店店舗の売上の差は、新規店舗との差と比べると小さいものかもしれないが、改装による効果はこれまでにも実績があると述べた。
【関連記事】
ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています。
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー