愛媛県今治市の刑務所から4月8日、27歳の男性受刑者が逃走した。逃げ出したのは「塀のない刑務所」として知られている松山刑務所・大井造船作業場だった。どんな施設なのか調べた。
大井造船作業場は、開放的処遇施設と呼ばれ、社会生活と似たような開放的な環境の中で更生を目指している。
アムネスティ日本によると、作業所にある5階建ての寮舎(友愛寮)は出入りが自由で、部屋には鍵もなく、窓には鉄格子もない。
全国の刑務所から、厳しい選考に合格した模範的な人たちだけが送られ、現在約20人が収容されている。ほとんどの人が仮釈放され、鉄工や飲食などの仕事に就くという。
アムネスティは2015年11月30日、大井造船作業所を訪問しており、当時の刑務官のコメントとして、次のように説明している。
・友愛寮には高い塀がない
・造船所内では受刑者ではなく作業員と呼ばれており、ほかの従業員とはヘルメットの色が違う。
共同通信が、法務省の話として伝えたところによると、大井造船作業場では1961年の開所以降、今回を含めて20人の逃走事案があったという。
同刑務所は、産経ニュースの取材に対して「一から対策を見直さなければ」と話した。