最高裁が10月23日、「妊娠を理由にした降格は、男女雇用機会均等法に違反する」とする初めての判断を示した。
妊娠を理由にした降格は、男女雇用機会均等法に違反するとして、広島市の病院に勤めていた理学療法士の女性が運営元に約170万円の損害賠償などを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)は10月23日、均等法に違反すると判断、女性側敗訴とした1、2審判決を取り消し、審理を広島高裁に差し戻した。産経ニュースなどが報じた。
妊娠をめぐる降格処分について、最高裁が均等法違反と判断したのは初めてとなる。妊娠や出産をきっかけに解雇・雇い止めされたり、減給、降格されるなどの嫌がらせを職場で受ける「マタニティ・ハラスメント(マタハラ)」は近年、社会問題化しており、判決の行方に注目が集まっていた。
女性は2004年4月に勤務先のリハビリテーション科副主任となったが、第2子を妊娠した2008年2月に軽い業務への転換を希望。翌月付で副主任の地位を外された。女性は2011年10月、退職している。
最高裁が2審の結論を変える際に必要な弁論を開いた際、女性の代理人は「降格を簡単に許せば、出産する選択を踏みとどまらせる可能性もある」などと主張。病院側代理人は「裁量権を逸脱していない」と訴えていた。
この日の弁論で、女性は「妊娠したために、なぜこのような目に遭わなくてはならないのかと苦しんだ」との陳述書を提出。代理人の下中奈美弁護士は「降格を簡単に許せば、出産する選択を踏みとどまらせる可能性もある」と訴えた。一方、病院側代理人の坂本宏一弁護士は「(降格は)本人の同意も得ており、裁量権を逸脱していないことは明らかだ」と述べた。
(マタハラ訴訟で弁論 女性側「降格許せば出産に影響も」:朝日新聞デジタルより 2014/09/19 03:40)
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