第153回芥川賞を「火花」で受賞したお笑いコンビ、ピースの又吉直樹さんは7月16日に会見を開き、「本当すごいびっくりしたんですけど、とにかくうれしいです」と喜びを語った。記者団との主なやり取りは以下の通り。
——今後、又吉さんの作品を読んで文学の世界に入る若い人へのメッセージは?
僕の小説を読んで全然合わへんかっても、他の小説で合う人もいると思うんで、僕の小説が合わなくて「もう読むの辞めよう」とならないでほしい。みんなで背負っていきたいですね。僕でジャッジしないで欲しいというか。
100冊読んだら、絶対、本が好きになると思うんですよね。最初の2〜3冊でダメになることはあるとは思いますが、そこまで頑張ってほしいですね。
——金屏風の前に座ってますが、お気持ちは
ウソみたいな感じですけど、似合ってますかねぇ。金屏風・・・。なかなか、こんなに緊張することはないですね。
——芥川賞を受賞した羽田圭介さんが「火花」を紹介してくれたことは?
すごくうれしいです。プロの作家が偏見なしに紹介してくれることはうれしいですね。
——芥川龍之介が生きてたら何という声をかけて欲しいですか?
芥川はおそらく僕みたいな髪型の人を嫌いだと思うんですよ。なんか、ベートーべンを天才ぶっていると書いていた文章があったんで。僕はベートーベンいいなぁと思ってたんですが。顔の表情と髪型が合ってるなぁと。僕の髪型についても「又吉もこの感じをやってるんじゃないか」と言われそうな気がします。
——褒めてもらう自信は?
いや、それはないですね。
——吉本興業から初めて受賞したかと思うんですが、今後「先生」と呼ばれたらどう思う?
本気で先生と呼ぶのは、相方の綾部だけだと思うんです。
——芸人としてやりづらくはなりませんか?
そうですね。注目してもらうのは芸人にとっては有り難いことなんで、不都合は特に感じてないですね。コンビでやっているんで。
——綾部さんからメッセージは?
綾部は仕事中みたいで。何かコメントはいただいたみたいですが。
——芥川賞をもらえる自信はあったんですか?
正直、自信はなかったですね。ゼロでしたね。ゼロですとは言ってたんですけど、朝からなんか緊張していたんで、心のどこかで期待していた部分はあったかもしれません。
——これからお笑いと作家という部分の比重はどうしますか?
これまで通り、芸人を100でやって、それ以外の時間で小説を書くという姿勢でやってきたので、それは続けていきたい。それがどっちにとってもいいと思います。毎月のライブをやりながら、そこで気づくこととか、お笑いやコントにできひんこととか、そういう物をそのまま小説にはならないけど、どこかに残ってて、文章を書くときも一歩目になることが多いので、(両方ともやることは)すごく必要なことなんです。
——次に何か書きたいものは?
「書きたいなぁ」という気持ちはすごくありますね。
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