政治資金の「公私混同」問題で6月に東京都知事を辞職した舛添要一氏の資金管理団体「泰山会」の2015年の収支報告書を、東京都選挙管理委員会が11月24日に公表した。会議費としての中国料理店への支出などについては一部記載されているが、多くは記載が義務づけられていない5万円未満の支出で詳細はわからないと、NHKニュースなどが報じた。
産経ニュースの報道によると、「舛添氏が疑惑への『けじめ』として売却を約束した神奈川県湯河原町の別荘が、24日現在も舛添政治経済研究所名義のままであることも登記簿謄本から判明した」という。
舛添氏の政治団体「泰山会」の報告書によると、舛添氏は事務所の家賃を舛添政治経済研究所に支出。家賃は月44万2500円で、27年は計531万円を支払った。泰山会の同年の収入は約6192万円。うち2885万円は、2回の政治資金パーティーで集めた。
支出では、法律で報告書への記載を義務付けられていない「5万円未満」が多く計上され、詳細不明の項目が多い。舛添氏が購入した美術品の代金を報告書に記載したことに批判が集まったが、同年分でも浮世絵などの専門店に資料代計約19万円を支出。ただ、資料代などとして、ほかに計上した約177万円の詳細は記載されなかった。
(【政治資金】舛添要一前都知事、自宅事務所531万円計上 けじめの別荘売却はせず - 産経ニュースより 2016/11/24 22:37)
泰山会の2015年の収入は、15年2月と11月の政治資金パーティーの開催や繰り越しなどで約6200万円で、支出は人件費や事務所費などで約2700万円だった。
NHKニュースによると、会議費や交際費を含む「組織活動費」は125万円余りで、このうち15年3月に都内のホテルに5万9000円余りを、6月に都内の中国料理店に6万9000円余りを支出。舛添氏をめぐっては、辞職前に行われた弁護士による調査で、政治資金から支出していた私的な飲食について不適切だと指摘されたが、今回の公表内容では2件以外の支出は5万円未満で、内容はわからないという。
舛添氏にはこれとは別に、知事時代に月額約174万円の給与が都から支払われ、15年の給与所得は計約2695万円。6月に知事を辞職した後、夏のボーナスに当たる期末手当約381万円と退職金約2195万円も支給された。
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