中国のインターネット通販最大手のアリババグループが、9月19日にニューヨーク証券取引所に上場した。調達額は218億ドル(約2兆3800億円)。FacebookやAmazon.comなどを上回り、史上最大の株式公開(IPO)となった。
これを受けて、アリババを関連会社に持つソフトバンクは20日、2014年4〜9月期の連結決算に約5000億円の持分変動利益を計上する見込みだと発表した。ソフトバンクの持株比率は低下したが、株式を公開して資金を調達したことにより資産が増加。また、上場前に取得していた優先株の価値が、上場によって3倍強の価値になることも加算された。ただし、アリババの資産規模が変わったことによる会計上の利益あるため、現金収入が生じるわけではない。
ソフトバンクは14年前の2000年、アリババの創業時に20億円を出資。上場前にはアリババの3割超の株式を持つ筆頭株主となっていた。今回の上場により、ソフトバンクは8兆円規模の含み益を抱えるまでになったと日本経済新聞などが報じている。
しかし、ソフトバンクの孫正義社長はCNBCのインタビューに答え、現在はアリババ株を売却する意思がないとしている。
「これで終わりではないからです。これは始まりなんです。アリババにとっては「始まり」なのです。(中略)違う考えを持つ人もいるでしょう。しかし、私は始まりだと思っています。“情報革命”はまだ始まったばかりなのです。まだ200年は続きます。中国はまだまだ成長します。eコマースも成長するでしょう。(中略)
アリババは中国でもまだ成長する。これは基本部分です。海外はまた別です。そこにはまた別のチャンスが眠っています。ですから私は、今、とてもエキサイティングです。このIPOで世界的な拡大の機会を我々は得たのです。
(CNBC「CNBC Transcript: Softbank CEO & Alibaba Director Masayoshi Son Speaks with CNBC's "Squawk on the Street" Today」より 2014/09/20)
孫氏はまた、「日本で一番の富豪のあなたと、IPOによって中国で一番の富豪となったアリババのジャック・マー会長とで、何について話をしますか」と聞かれ、「お金が全てではない」との考えを述べた。
「お金が全てのものさしではない。お金がゴールではないんです。もちろんお金を持つことも素敵なことかもしれませんが、大切なのはそういうことではないんです。人々を笑顔にしたり、幸せにしたりしたいという情熱が大切なんです。これが一番素晴らしいことなのです」。
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