田中将大の負傷離脱を受け、ヤンキースが緊急補強へ 米メディアが9選手の補強候補を特集

ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは田中将大投手が右肘靭帯の部分断裂で戦線離脱となったことを受け、7月末までのトレード期限で緊急補強に乗り出す方針を打ち出した。
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CLEVELAND, OH - JULY 8: Starting pitcher Masahiro Tanaka #19 of the New York Yankees sits in the dugout after leaving the game during the seventh inning against the Cleveland Indians at Progressive Field on July 8, 2014 in Cleveland, Ohio. (Photo by Jason Miller/Getty Images)
Jason Miller via Getty Images

ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは田中将大投手が右肘靭帯の部分断裂で戦線離脱となったことを受け、7月末までのトレード期限で緊急補強に乗り出す方針を打ち出した。

■開幕ローテーションで残っているのは黒田のみ

 ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは田中将大投手が右肘靭帯の部分断裂で戦線離脱となったことを受け、7月末までのトレード期限で緊急補強に乗り出す方針を打ち出した。ESPNが「マサヒロ タナカは少なくても全治6週間」という見出しで報じている。

「予定していたローテーションのうち4人の投手がアウトになった今、我々は補強にアグレッシブだ。我々は東地区の争いのまっただ中でこの戦線に残らなければいけない。チームをアップグレードできるオプションとチャンスを探し続ける」と強化責任者は明言している。

 田中は10日にシアトルでヤンキースのクリストファー・アーメッド医師ら3球団のチームドクターの診断を仰ぎ、靭帯の損傷が確認された。現時点では全治6週間の見込みで、リハビリで痛みが消えない場合、トミー・ジョン手術を受ける可能性も残されている。

 田中の緊急離脱で、ヤンキースの開幕直後の先発ローテーションはほぼ崩壊した。開幕の時点で1番手だったCC・サバシアは右膝の故障で今季中の復帰は絶望的。3番手のイバン・ノバ投手もトミー・ジョン手術で今季絶望。4番手だった田中も6週間の離脱が確定。5番手のマイケル・ピネダ投手は広背筋の肉離れからの復帰が遅れている。今も投げ続けているのは2番手の黒田博樹投手のみだ。

 田中の離脱で先発陣に大きな穴が生じたことを受け、キャッシュマンGMは豊富な資金力を背景に緊急補強に打って出る構えだ。

 ESPNの名物コラムニストのバスター・オルニー記者は「ヤンキースは難しい決断に直面する」という見出しで投手の補強候補9選手を特集。ツインズのケビン・コレイア投手、ホワイトソックスのジョン・ダンクス投手、フィリーズのクリフ・リー投手とコール・ハメルズ投手、レイズのデビッド・プライス投手、パドレスのイアン・ケネディ投手、メッツのバートロ・コローン投手、ナショナルズのロス・ディトワイラー投手、ロッキーズのホルヘ・デラロサ投手が候補として挙がっている。

 ア・リーグ西地区で首位を独走するアスレチックスは移籍市場の目玉だったジェフ・サマージャとジェイソン・ハメルの両投手をカブスからトレードで獲得。同じく2投手の獲得交渉に当たっていたキャッシュマンGMはカブスに対する魅力的な交換条件を提示できずに、補強で後れを取っていた。

 マーケットに残された最大の目玉は2012年サイ・ヤング賞投手のプライス。同地区のヤンキースとの交渉には消極的と言われるレイズに対し、キャッシュマンGMがどのような交渉に出るのか。いずれによせ、驚異的な活躍で勝ち星を積み上げてきた田中の穴を埋めることは難しいが、ピンストライプの名門がインパクトの大きな補強を実現できるかが注目される。

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(2014年7月12日「フルカウント」より転載)