任天堂の人気ゲーム「スーパーマリオブラザーズ」などのメインキャラクターとして知られる「マリオ」。この名前の由来になったといわれるマリオ・セガールさんが、10月27日に亡くなっていたことが分かった。BBCなどが報じた。84歳だった。
マリオのモデルはアメリカの不動産実業家
マリオ・セガールさんは、ワシントン州シアトル生まれのイタリア系アメリカ人。建設会社を営み、不動産業を中心として多角的にビジネスを展開し、財を成した実業家だ。
1993年のシアトル・タイムズ紙などによると、マリオさんは1980年代、任天堂がアメリカで現地法人Nintendo of Americaを立ち上げた。その時に借りていた事務所のビルのオーナーがマリオさんだった。
1980年代に任天堂が「ドンキーコングシリーズ」で初めて「マリオ」らしきキャラクターを採用したとき、まだ名前はなく、キャラクターの飛び跳ねる動きなどから「ジャンプマン」と呼ばれていた。
しかしその後、事務所オーナーだったマリオさんの名前を付けて、ジャンプマンは世界的な人気キャラクターに成長した。
マリオさんは長らく名前の由来になっていたことを公言していなかった。しかし、1993年6月17日掲載のシアトル・タイムズ紙のインタビューには「私はまだロイヤリティを払う小切手が届くのを待っているよ」とユーモアを交えて答えたと書かれている。
2015年に制作者の宮本茂さんが認める
マリオの名前の由来については、マリオ・セガールさんだと言われていたものの、公式な発表は今までなかった。1980年代当時、マリオさんに事務所費を滞納してしまい、代わりにキャラクターの名前にしたとか、マリオさんの風貌に似ていたからだとかいう噂がファンの間では語られていた。
そんななか、2015年にNintendo UKはマリオの噂を検証する「Mario Myths with Mr Miyamoto」という動画を公開。ドンキーコングの制作者である宮本茂さんが噂について答えていくという内容だ。
宮本さんは、「マリオの名前は、Nintendo of Americaの大家さんだったマリオ・セガールさんから来てるの?」という質問に、笑顔でうなずいている。
訃報を伝えたシアトル・タイムズ紙によると、葉巻やチーズ抜きのイタリア料理を好み、飛行機や釣り、狩猟を趣味にしており、ワシントン州にあるピュージェット湾の眺めをこよなく愛する人だったという。