ユニークな名前を持つ人は、小さな頃から名前についてあれこれ聞かれることに慣れているかもしれない。
イリノイ州に住む、マリファナ・ペプシ・ヴァンダイクさんも例外ではない。
「みんなから、名前をまるで重大なことのように扱われます。名前から逃れられません」とウィスコンシン州の新聞ミルウォーキー・ジャーナル・センチネルに語る。
その「マリファナ」と「ペプシ」を名前に持つヴァンダイクさんが、ウィスコンシン州のカーディナル・ストリッチ大学で博士号を取ったことが話題になっている。
高等教育のリーダーシップで博士号を取ったヴァンダイクさん。論文のテーマは「白人中心のクラスにおける、黒人の名前:教師の行動と生徒の認識」だ。
論文は、変わった名前を持つ黒人の生徒として、自らの経験を元に書かれた。
センチネル紙によると、ヴァンダイクさんは自分が卒業したウィスコンシン大学ホワイトウォーター校に通う、黒人の学生たちを対象に調査をした。
「はっきりと黒人だとわかる名前を持った生徒たちに教師がどう対応するのか、彼らの名前が成績にどういう影響を与えるかについて調べました」とヴァンダイクさんは語る。
調査の結果、多くの生徒が出欠をとっている途中に教師から名前について尋ねられていた。
ヴァンダイクさん自身も、同じ経験をしている。中学校での経験をセンチネル紙にこう話す。
「先生が大きな声で出欠を確認して、段々Jに近づいて行くと、そろそろ来るなと思いました。『マリファナさん…?マリファナさん?』すると生徒全員が、私を探そうと周りを見回すのです」
大学時代には、出欠確認時に名前について尋ねてきた教授に「ほかの誰にも聞かなかったのに、なぜ私には聞くのでしょう?私の名前はマリファナですが、それが何か?」と逆に聞き返したこともあるという。
ヴァンダイクさんの名前をつけたのはお母さんだ。子供の頃から名前をからかわれ、中には「裁判所に行って、名前を変えたほうがいい」とアドバイスする人もいた。
しかしヴァンダイクさんは、自分の名前を変えるつもりはない。
「この名前があったおかげで、私は強い女性になりました」と、ニュース番組『Today』に語る。
実際、ヴァンダイクさんは、コーチングビジネスの会社を経営したり、大学で新入生向けのプログラムのマネージャーをしたりと成功を収めている。
博士号を取ったことで、「今後は『マリファナ・ペプシ博士』と呼ばれるようになるでしょう!」とヴァンダイクさんは喜ぶ。
「高校のバスケットボールコーチに、かつてマリファナ・ペプシ・ジャクソンさんという生徒がいて、成功したと聞いてことがある。その時は作り話をしているんだろうと思った。10年後に同僚が同じ話をした。その女の子は、私に取って15年間都市伝説だった」
「マリファナ・ペプシは、クラスメートから名前をからかわれ、先生や上司には名前を変えた方がいいと言われたけれど断り続けてきた。そして『私は強い女性だからこそ、この名前に成長したのです』と話す。今彼女はマリファナ・ペプシ・ヴァンダイク博士だ!」
「マリファナ・ペプシがトレンド入り。ペプシが新しい飲み物を作ったのかと思った」
ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆しました。