銃で撃たれ、友達も殺された女子高生、おう吐しながら銃反対のスピーチをやり遂げる

「世界中に中継されてるテレビの前で吐いちゃった。これって、最高の気分よ」
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Washington, U.S., March 24, 2018. REUTERS/Aaron P. Bernstein
Aaron Bernstein / Reuters

全米で3月24日にあった、100万人以上の生徒・教師らが参加した銃規制デモ「MarchForOurLives(命のための行進)」。17人が命を落とした、フロリダ州・パークランドの高校の銃乱射事件を生き延びた、サム・フエンテスさんの力強いスピーチに世界から賞賛が集まっている。

「ハリー・ポッター」の著者、J.K.ローリングさんは、次のようにツイートした。

「銃で撃たれ、友達の死を目の当たりにした。何百万の前に立ち、吐いてしまった。でもそれを笑い飛ばして、最後までスピーチした。サム・フエンテス、もう言葉が見つからない」

この日、壇上にあがったフエンテスさんは「今日、私は自分のためではなく、あなた方のためにここにいます。あなた方が教室で銃に撃たれるかもしれない恐怖を味わわないように。隣にいる親友が亡くなるのを見るかもしれないって不安にならなくていいように」と話し始めた。

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Photo by Kevin Mazur/Getty Images for March For Our Lives
Kevin Mazur via Getty Images

高校生が中心となって、全米に大きなムーブメントを起こしている銃規制の呼びかけだが、フエンテスさんは"大人"たちの力が不可欠だと訴えた。

「法律家や政治家は、銃が問題なんじゃないと言う。でも、私の目を見て...」

そう強い口調で語った直後、彼女は後ろを向き、嘔吐してしまった。

聴衆はざわつき、心配そうな顔をしながら、彼女を励ます声をあげた。

しかし数十秒後、マイクの前に戻ってきたフエンテスさんは、笑顔で一言。

「全世界に中継されてるテレビの前で吐いちゃった。これって、最高の気分よ」

聴衆は大歓声を上げた。フエンテスさんはスピーチを続ける。

「禁止しろって頼んでるわけじゃない。歩み寄ろうって言っているんです。信条や肌の色を忘れて、お互いを救おう」

「私たちの使命はシンプルです。私たちの野望は絶対に曲げられない。間違った人たちの手から銃を離そう。それらを安全で、分別のあるところでちゃんと管理しよう」

フエンテスさんは、今こそどうすべきか選ぶ時だと呼びかけた。

そして彼女は、本当ならこの日に誕生日を迎えるはずだった、亡くなった同級生のために「ハッピーバースデー」を歌った。

「私の目の前で亡くなったニックのために、一緒に歌ってほしい」。

聴衆たちは涙を流しながら、ハッピーバースデーを歌った。