小中学校の子どもを持つ親の間で、テレビやマンガ、パソコンなどのメディアに対する評価が急落していることが日本PTA全国評議会の調査でわかった。中でも、テレビとマンガが子どもに与える影響について、「よい」と答えた保護者は前年度から約3割と急減した。
2002年度から毎年調査している「子どもとメディアに関する意識調査」(平成23年度版)。今回は昨年11~12月に実施され、全国の小学5年生と中学2年生、計4149人と、その保護者計3931人の回答を得た。
調査では、各種メディアが子どもに与える影響について保護者に尋ねた。「非常に良い」「まあ良い」と答えた人の合計は、テレビ48.4%(前回79.3%)、漫画27.5%(同58.6%)、パソコン30.3%(同52.8%)、ゲーム18.2%(同39.7%)、携帯電話10.7%(同21.4%)。すべての対象について急落しているが、中でもテレビ、マンガ、ゲームの落ち込みぶりが目立つ。
朝日新聞デジタルの記事によると、いずれも前回までの数年間に大きな変化はなかった。調査担当者は「親の間でメディアへの警戒心が強まっているようだ」とみているという。( 朝日新聞デジタル「テレビ・漫画、親の評価急落 PTA全国協議会、子どもへの影響調査」2013/06/17)
毎年の調査だが、なぜ今回これほど急落したのかは謎に包まれている。特にテレビや漫画の児童文化への浸透に関しては数十年の歴史がある。今になって急速に普及していたわけではない。はっきりした原因は不明だ。
ただ、最近の小中学生は生まれたときからスマートフォン、パソコン、テレビなど、さまざまなメディアにさらされる「デジタル・ネイティブ」だ。これは、裏を返せば、子どもがSNSなどを通じてネット犯罪に巻き込まれる事例が増え、子どもがコンピューター画面を長時間見ることによる発育への影響が取りざたされるなど、親の世代にとっても過去になく神経を使う時代になっている。その結果、漠然としたメディア全体に対する「不安感」が調査結果に表れた可能性もあるのではないか。
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参考記事
・文部科学省「子どもとテレビゲーム」に関するNPO等についての調査研究-米国を中心に- 「第1章 子どもとテレビゲームの現状 第2節 テレビゲームが子どもに与える影響」