マレーシア航空機墜落、犠牲者に子供80人 失われた未来

マレーシア航空機のウクライナ東部での墜落では、子供たち80人を含め、大勢の民間人が命を奪われた。
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ウクライナ東部でのマレーシア航空機撃墜事件で、現地メディアは7月18日、乗客乗員298人のうち約80人が子供だったと伝えた。夏休みを国外で楽しむ予定だった子供が多数犠牲となった。時事ドットコムなどが報じた。

ウクライナのテレビは、子供とみられる遺体や燃えるスーツケースなど、ドネツク州の事故現場を放映。インドネシアのガイドブック、現場で回収された多くの子供のパスポートなども映し出された。

 

(時事ドットコム『犠牲者に子供80人=「国外の夏休み」暗転-マレーシア機撃墜』より 2014/07/19 15:59)

機体が広範囲に散乱している墜落現場には、絵本、トランプ、スケッチブックなどの手荷物もある。Tシャツ、日焼け止め、短パン、帽子に地図。これから楽しむはずだった遺品も、きれいなまま散らばっていた。

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(Photo credit should read DOMINIQUE FAGET/AFP/Getty Images)

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(Photo credit should read DOMINIQUE FAGET/AFP/Getty Images)

遺品を回収親ロシア派武装集団のひとりが、がれきの中から猿のぬいぐるみを回収した。兵士は報道陣にぬいぐるみを見せたあと、帽子をとって十字を切った(動画)。

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(Photo credit should read DOMINIQUE FAGET/AFP/Getty Images)

そばには、日記も置かれてあり、昨年訪れた旅行先での記録が綴られていた。

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(Photo credit should read Alexander KHUDOTEPLY/AFP/Getty Images)

墜落では、子供たちだけでなく大勢の民間人が、命を奪われた。

Fatima Dyczynskiさん

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航空宇宙エンジニアのFatima Dyczynskiさん(24歳)はIBMでインターンシップを開始するために、オーストラリアのパースに移動する最中だった。ハイテクスタートアップ「Xoterra Space」の創設者の一人でもあり、2013年10月には携帯電話から人口衛星へのアクセスについて、TEDで講演していた。

Elaine Teohさん

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(Facebook)

メルボルン大学を卒業したあと、オランダの金融機関で働いていたElaine Teohさん(27)は、Emiel Mahlerさんと挙式のため故郷のマレーシアへ移動する途中だった。Elaineさんは、4カ月前、自身のFacebookに次の言葉を投稿していたという。

「人生は真剣に受け止めるには、あまりにも深刻過ぎる」。

Wayan Sujanaさん

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A photograph of Indonesian man Wayan Sujana of Bali, believed to be missing on Air Malaysia flight MH17, is fixed to the ticketing desk of Air Malaysia at Schiphol Airport on July 18, 2014 in Amsterdam, Netherlands.(Photo by Christopher Furlong/Getty Images)

インドネシア人のWayan Sujanaさんは、ヨーロッパ各国への旅行からの帰り道だった。16日にはFacebookのカバー写真をパリのエッフェル塔に変更し、これまで働いて貯めたお金で海外に旅行できたことへの感謝を書き込んでいたという。

出発前のオランダでも、風車の写真をFacebookに投稿し、現地で働く友達へのメッセージも書き込んでいた。

「みんな、すぐまたバリで会おうぜ!」

Karlijn Keijzerさん

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(Indiana University)

アメリカのインディアナ大学で化学を学んでいたオランダ人のKarlijn Keijzerさん(25)は、休暇でMH17便に乗っていた。アルツハイマー病治療薬の研究などを行っており、准講師としてコースを指導していたという。

ボート部でもクルーのリード役として活躍。練習のあと、メンバーたちはKarlijnさんからオランダ語を教わった。

Joep Langeさん

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(JEAN AYISSI/AFP/Getty Images)

MH17便には、オーストラリアのメルボルンで開催される国際エイズ会議の出席者らが多数搭乗していた。Joep Langeさんはかつては国際エイズ学会の会長を務めており、発展途上国におけるHIV/AIDS治療の普及に力を注いでいた。

アフリカ諸国に、安価なエイズ治療薬を供給することを提唱した人物であり、「冷えたコーラやビールをアフリカのあらゆる僻地にまで普及させることができるのだから、同じことが薬についてできないはずがない」と述べていた。

Mo Maslinさん、Otisさん、Evieさん

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(Facebook)

Moさん(12歳)、Evieさん(10歳)、Otisさん(8歳)の3人きょうだいは、おじいちゃんに連れられて自宅に向かっていた。母のRin Norrisさんは仕事から抜けだせず、同じ便ではなかった。

RinさんのFacebookページには、ハリー・ポッターやアリスに変装したり、絵を描いたり、誕生日を祝ったりしていている子どもたちの写真が投稿されていた。

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