9月14日 木曜日 天気:曇り 肌:いつもより良い状態
タイトルを見て、ぎょっとする人もいるかもしれない。
私は、性別関係なく気軽にメイクができる時代が早く来たらいいのにと思っているけれど、
種明かしをすると、私の上司の男性は毎週出演するネットテレビ番組の収録前にメイクをしてもらっているのだ。
毎週木曜日の午後12時に始まるニュース・情報番組用に、メイクさんが彼の顔を整えている。
確かに収録が終わって彼がオフィスに帰ってくると、髪の毛もバッチリ決まっている。
ハフポストで働いている男性の中で、メイクをしている頻度が一番高い上司に「メイク」と「ビジネス」についてどう考えているのか聞いてみた。
ーーメイク時は、どのアイテムを使っていますか
ファンデーションとコットンとまゆげブラシです
ーーもともとそれらのアイテムの使い方を知っていますか
知りませんでした。顔を整えることに関しては、2週間に1回ぐらい、妻がまゆげを整えてくれるぐらいです。
ーーメイクにどれくらい時間がかかりますか
5分です。
ーーメイクは、ビジネスに有利だと思いますか
そう思います。私は先日、朝4時に目覚めてしまって、そのまま子どもの朝ご飯をつくっていたら、眠れなくなりました。目の下にクマが出来たのですが、メイクで隠せました。もしそのまま取材先やビジネス関連の相手、読者の方にあったら、「不健康な編集長」というイメージが伝わってしまい、ブランドが毀損されます。普段から睡眠をよくとって運動もしていますが、万一の寝不足や肌の疲れを隠すのに便利だとおもいました。
ーーメイクを落とす作業については、どう思いますか
60分の番組と反省会のあと、5分かけてメイクを落とします。おしぼりで顔をふいて、化粧水をつけます。メイクを落とす時間もなく、そのままイベントに登壇するときもありますが、ちょっと自信がつきます。いつもと違う自分、というか。
ーー時々、自分でメイクしたいと思いますか
風呂あがりにクリームをぬるようになって、肌がきれいになりました。クマが出るときにファンデーションをぬりたいと思うことはあります。
寝不足だからという理由ではなく、家族や周りの人に余計な心配をかけたくないからです。素顔が醸し出す「余計な」コミュニケーションを除くために、メイクを使いたいと思うことはよくあります。
感想:
私の上司にとって、「メイク」は美への欲求を追求するものではなく、あくまでビジネスをする上で相手にネガティブな感情を与えない道具であることがわかった。
目のクマを隠すためにメイクしたいという上司に、「それならちゃんと寝てほしい」と伝えた。
しかし、彼のクマはちゃんと寝ても出るらしい。健康そのものでも、出てしまうというのだ。
それでも目のクマは「不健康のサイン」だと誰もが思ってしまう。
それに対して彼は、そんなことはないと口で言うのではなくメイクで隠したいのだという。
「周りの人に余計な心配をかけたくない」という彼のメイクは、誰よりも優しいメイクだと思った。
◇◇◇
ハフポスト日本版でエディターとして働く私(27歳)は、2017年9月いっぱいを「ノーメイク」で過ごしました。仕事も、プライベートも、あえてメイクを塗らないことで見えてきた世界を、1カ月間少しずつ書き留めていきました。これから平日朝7時ごろ、順次公開していきます。
第6話:女が「女装」することの快感。
ハフポストでは、「女性のカラダについてもっとオープンに話せる社会になって欲しい」という思いから、『Ladies Be Open』を立ち上げました。
女性のカラダはデリケートで、一人ひとりがみんな違う。だからこそ、その声を形にしたい。そして、みんなが話しやすい空気や会話できる場所を創っていきたいと思っています。
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