前原誠司代表、解党を否定「アウフヘーベンだ」 民進党の“希望の党“合流について語る

民進党代表は継続、自身の移籍は「まだ決めていない」
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両院議員総会であいさつする民進党の前原誠司代表=28日、東京・永田町の同党本部 撮影日:2017年09月28日
時事通信社

民進党の前原誠司代表は9月28日午後、小池百合子都知事が率いる「希望の党」への事実上の合流が了承された党両院議員総会後に記者会見した。

前原氏は会見の冒頭、「我々としては安倍政権をストップさせる。そのため一対一の構図にもちこむという結論を常任幹事会、両院議員総会でいただきました」と、「希望の党」への事実上の合流を発表した。

■前原氏「小池さんサイドと色々話をしていく中で...」

報道陣との質疑応答の中で、希望の党と連携するという決断に至った理由について、前原氏はこう語った。

「山尾(志桜里)さんの問題、相次ぐ離党者、そして解散という形になりまして、我々としてはどう国民に責任を果たしていくべきなのかということを常に考えながら行動してきた」

「どうすれば小選挙区の一対一の構図に持ち込めるかということを考えておりました。4党での協力ということも選択肢の一つだったと思いますが、我々としては政策理念、方向性で一致するところと、より協力していきたい」

その上で、「この10日あまり小池さんサイドと色々話をしていく中で、内々に今日に至る合意を二人の間で行うことになりまして」と延べ、臨時国会召集前から小池知事側と調整を続けていたことを明かした。

■報道陣「実質的な解党では?」⇒前原氏「アウフヘーベンだ」

報道陣からは「実質的な解党的な合流では」と問われると、前原氏は「いろいろな方々がおられますが、小池さんのおっしゃるアウフヘーベンだ。止揚だと思っています」と述べ、解党ではないという見方を示した。

小池知事が多用するドイツ語「アウフヘーベン」という語を用いたことからも、小池知事との親和性をアピールした格好だ。

朝日新聞デジタルによるとアウフヘーベンとは、哲学者ヘーゲルが1812年の主著『大論理学』で使った概念で、否定によって高い段階に進むが、否定されたものが取り込まれて残っている状態のことを指すという。

■「希望の党」の公認を得た場合、所属はどうなるの?

結局のところ、民進党の在籍者が、今回の衆院選で「希望の党」の公認を得る場合、その人の所属はどうなるのだろうか。

これについて、前原氏はこう明かした。

「今朝、小池さんサイドと話をしまして、民進党に所属している方が『希望の党』の公認候補になる場合は、(民進党を)離党して出る(「希望の党」に公認申請し出馬)ということを確認しております」

「希望の党」が保守色を鮮明にしていることから、民進党内のリベラル派議員からは反発の声が出ているようだ。報道陣からは「一部議員から、公認が得られる保証がないのに離党させるのは、代表として無責任ではという声が出ている」と、厳しい質問が飛んだ。

これに対し前原氏は、「これから公認候補を決めていく作業をします。我々の要望をしっかりと先方にも伝え、先方とかこちらとかということではなく、同じ党で政権交代を目指すということになります。できるだけ早く公認調整はおこなっていきたい」と述べるに留めた。

前原氏自身は、今回の総選挙をどう戦うのか。仮に、前原代表が「希望の党」の公認を得た場合、民進党の代表がいなくなる恐れがある。

これについて前原氏は、「私がやめると、民進党の代表がいなくなる。参議院議員、自治体議員、党員・サポーターがいる。私は民進党代表をやめるつもりはない」と、代表職を継続する姿勢を示した。

一方で、自身が「希望の党」公認で出馬するのか、それとも無所属で出馬するのかについては「まだ決めていない。これは極めてテクニカルな話」と説明。

その上で、「民進党籍は残したまま、『希望の党』の公認候補になることは法律上問題はない」とした上で、「10月10日までに結論を出す」と述べた。