中国の食品加工会社「上海福喜」が期限切れの肉を加工して出荷していたとされる問題で、この会社の鶏肉を使っていた日本マクドナルドのサラ・カサノバ社長は7月29日、問題が明らかになって以降初めて記者会見し、「大切なお客に心配をかけた」などと陳謝した。
一方、「報道されている行為は絶対に許すことができない」と述べ、上海福喜の対応を非難。さらに全管理体制の強化策を発表し、ホームページにも公表した。時事ドットコムなどが報じた。
消費者の不安の高まりを受け、同社は先に中国製鶏肉商品の販売を全面中止。カサノバ社長は「大切なお客さまに懸念と心配をかけ、深くおわびする」と語った上で、新たな安全対策として(1)全メニューの原料原産国と最終加工国のインターネット上での公表(2)品質管理担当者らの中国、タイの調達先への派遣(3)国内での検査体制の強化-を実施すると発表した。
マクドナルドは問題の全容が解明された段階で中国企業に賠償請求する。ナゲットの購入者への返金は現時点で検討していないが、カサノバ社長は「不適切に製造された商品が日本に入ってきたという事実が明らかになったら検討する」と説明した。
(時事ドットコム『今期業績予想「未定」に=期限切れ肉問題で販売減-商品の原産国公表-マクドナルド』より 2014/07/29 20:25)
これまでは、牛肉や鶏肉など主要な原材料についてのみ原産国・地域を公開してきた。
日本マクドナルドは同日、2014年12月期の連結業績予想を「未定」に変更した。この問題の影響で、売り上げが減るなど大きな損失が見込まれるためだ。
もともと12月期の業績見通しは、売上高が前期比4%減の2500億円、純利益が17%増の60億円だった。だが、鶏肉問題が起きたため取り下げ、新たな見通しは示さなかった。
問題発覚後の売り上げは、当初見通し(計画)を15~20%下回っているという。中国製の鶏肉製品の在庫がむだになる分なども含め、今期は「数十億円規模の損失が出てもおかしくない」(今村朗・財務本部執行役員)とみている。
(朝日新聞デジタル「マック業績見通し取り下げ 期限切れ鶏肉問題が追い打ち」より 2014/07/29 21:10)
今回の事態が、長引く業績低迷にあえぐ日本マクドナルドに一層の影を落とすことは必至なようだ。
今回の記者会見は、決算発表のため問題発覚前からもともと設定されていたものだった。しかし、質問のほとんどが期限切れ肉に関してだった。危機管理コンサルタントの田中辰巳氏はフジテレビに対して、「決算の会見とセットで行ったんで、ついでにやったというようなことからすると、(消費者の)不安とか不信感は残ったまま、むしろ、それは増えてしまったんじゃないでしょうか」と語った。
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