京成電鉄の幻の駅「博物館動物園駅」(東京都台東区)が11月23日、アートスペースに生まれ変わって21年ぶりに一般公開された。
博物館動物園駅は、戦前の1933年に開業。東京国立博物館と上野動物園の最寄り駅として使われていたが、利用者の減少を受けて1997年に営業休止。2004年に廃止された。駅舎やホームなどは当時の姿が残されている。東京都景観条例に基づき4月、都の歴史的建造物に選ばれた。
長らく使われていなかったが、上野周辺の文化的なシンボルとして再活用することになり、7月から改修工事を実施し、駅舎の扉を現代美術家の日比野克彦氏のデザインでリニューアルした。
11月23日から、アートスペースとして「アナウサギを追いかけて」という展示が一般公開されることになった。
■巨大なアナウサギがお出迎え
同日午前11時からの一般公開の直前、ハフポスト日本版は博物館動物園駅の構内を取材した。扉を開けると、高さ4メートルの巨大なアナウサギのオブジェが出迎えた。演出家の羊屋白玉(ひつじやしろたま)さんは「博物館動物園駅が、京成電鉄では珍しい地下駅だったことからインスピレーションを受けた」と話している。
上野動物園で飼育されていたパンダのホアンホアンなど、動物の骨格標本の展示もある。国立科学博物館の森健人・支援研究員は「実際に標本を手に取って楽しんでほしい」と語っていた。
ガラス扉越しではあるが、薄暗い改札や切符売り場の様子もみることができ、ガラスには来場者が自由にラクガキできるようになっている。
■「アナウサギを追いかけて」イベントの概要
会期:2018年11月23日 ~ 2019年02月24日までの毎週金・土・日曜日
(※12月28日〜30日は除く)
時間:午前11時〜午後4時(最終入場は午後3時半まで、定員制で混雑時は入れ替え制)
入場料:無料
演出:羊屋白玉、美術:サカタアキコ、制作協力:森健人