「景気回復」と言われてはいるものの、悲しい現実がある。不況で中間層の職が大きく奪われ、低賃金の職がそれに取って代わっているという現実だ。そればかりか、その状況が改善される動きは当分ない。
アメリカ労働省労働統計局は、今後10年間に米国内で急激に増加する求人の多くは、賃金の低い職種になると予測している。シンクタンク「New America Foundation」は先ごろ、そういった予測をグラフに表した。
「2012年の年間賃金(中央値)と、2012年から2022年までの雇用成長予想」
見てお分かりの通り、2022年までに雇用が伸びる業種として挙げられているのは、飲食業や販売業(一般店員)、介護などだ。そして問題なのは、こうした業界で提供される年収が低いという点だ。
こういった業界で働くの半数は、2012年の年収が2万ドルに満たない。しかも、働いている人は未成年ばかりではないという調査結果もある。
低賃金労働者に対しては、フードスタンプや、低所得者向け補助金というかたちで、毎年何十億ドルにも達する税金がつぎ込まれている。世界的企業であるウォルマートやマクドナルドが社員の賃金を上げたり、連邦議会が最低賃金を引き上げたりしない限り、状況の改善は当分見込めない。
社会の「低賃金経済」化は、ますます進展している。「景気回復によって生まれた仕事」の3分の2以上は、こういった賃金の低い業種が創出しているのだ。
[Maxwell Strachan(English) 日本語版:遠藤康子/ガリレオ]
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