こたつで寝る→足の指切断も...低温やけどは何分で起こる? 消費者庁が注意呼びかけ

「朝起きたときに足の指から出血していた」…なかなか気が付かない例も。
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Mandarin oranges and tea
imagenavi via Getty Images

消費者庁は11月18日、高齢者の低温やけどに関する資料を公開した。高齢者は若者に比べて感覚機能が低下しているため、やけどに気付かないまま重傷を負うケースもあるとしており、コタツで就寝し足を切断する事例もあったと注意を呼びかけている。

資料によると、2009〜2015年9月までの期間に消費者庁に寄せられた、65歳以上の高齢者の低温やけどの事故情報は119件。そのうち8.6%にあたる10件は、入院治療を必要とするものだった。

70歳の男性の事例では、こたつで寝てしまい、朝起きたときに足の指から出血していたことから、やけどに気づいた。やけどは重症で、男性は足の指2本を切断することになったという。

低温やけどの原因として最も多かったのはカイロ。腰にカイロを貼ったまま寝てしまった70歳の女性の事例では、電気毛布を付けたまま就寝し、翌朝カイロを剥がすときに痛痒さに気が付いた。女性は、皮膚科を受診したところ、表皮よりも深い真皮まで損傷が及んでいた。

低温やけどになるまでの時間は、皮膚に触れているものの表面温度が44度の場合は3〜4時間、46度の場合は30分〜1時間、50度だと2〜3分だと、資料は指摘している。東京都の調査によると、代表的な使い捨てカイロの最高温度は、はらないタイプで66〜70度、貼るタイプは63〜68度にもなる。

消費者庁の資料は低温やけどについて、「普通のやけどに比べて痛みが少なく、水ぶくれなどもできにくく、乾燥していることが多いため、一見軽そうに見えますが、長時間熱の作用が及んだために、深いやけどになっていることも珍しくありません」と説明。カイロについては「寝るときは使用しない」などの対処法を紹介している。

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