「元彼トースト」 元彼との思い出の味

【キム・ヒョヌの新婚日記:第4話】「元彼トースト」レシピは、しばらくソーシャルメディアで人気だった。
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EKSPANSIO VIA GETTY IMAGES

ハフポスト・コリアのキム・ヒョヌ記者が2018年12月から連載を始めた「新婚日記」を掲載します。つれづれなるままに書きますが、それなりに面白おかしく読んでいただければ幸いです。 

「元彼トースト」というのがちょっと前にソーシャルメディアで人気だった。 現代小説の題目のようなこの単語。元彼のことは忘れたが、元彼が作ってくれたトーストは、忘れられないという女性が、あるコミュニティに掲載した文章から始まった話だ。 元彼には何の未練もなかったが、元彼のトーストには執着したこの作者は、元彼にメッセージを送ってレシピを聞きだし、これをインターネットで共有した。 その後、インターネットでは「いったいどれだけおいしかったのかな。元彼に連絡して聞いてみるほどなのか」と、このレシピが話題になった。

10日前、新郎は急に会社から休暇を命じられた。 その休暇はなんと明日からだ。

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A *Chinchilla cat
Pai-Shih Lee via Getty Images

 やほ〜^^ 超いい!10日前に休暇を使えと命令するとは!夫婦同士で休暇を取ることも難しく、飛行機もとても高いチケットを買わなきゃいけないなんて、本当に最高だ^^!最高だよ^^!

 

幸いにハフポストは、グローバルメディアであるだけに、休暇を比較的思い切り使うことができ、来週数日程度は休みを取ることができた。 (ウォラベル[*Work and Life Balance]の面では韓国最高だね)とにかく来週までは仕方なく、一人で休暇をとることになった夫は、急に慶尚道(キョンサンド)にある夫の実家にいってしまった。「 あなたも前に一人で実家に一日だけ行って来ると言ったのに、結局三日間帰ってこなかったじゃん。 その時、僕がどれほど寂しかったか感じてみて」という文句を残したまま…

このような理由で2泊3日間一人になり、久しぶりに一人で夕食を食べるようになった。 そんな中、ふと家にクリームチーズとジャムがあるということが思い浮かんだ。 さらに、うちの近くのパン屋で売っている食パンはおいしい。 夕食メニューはかの「元彼トースト」に決めた。

 夫のいない遅い夜、元彼トーストを美味しく食べていると、私が一番愛した元彼を思い出した。 私の人生に多大な影響を及ぼしたが、完璧な恋愛はないということを教えてくれたあの人。

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CHRISTINE SCHNEIDER VIA GETTY IMAGES

 元彼トーストはだいたいこんなビジュアルで、それで私の元彼は… 私が初の社会生活として某企業のマーケティング部のインターンをしていた時に出会った。 今は優れた文章を誇る「美人エディター」としてよく知られている私だけど、その当時は経営学部3年生が終わっても会計情報の原理も理解できない間抜け休学生だった。 会計はしなかったが、初めての社会生活は苦しかった。 それこそMommy Son(マミソン)、いや、Mad Clownの歌「Coffee Copy Girl」みたいだった。 化粧で顔を覆って優しく事務室の花になる日々。 「女はスカートをはくべき」「君がきれいにして通ってこそ私たちも会社に通う気にはなれる」といった言葉にも、ただ笑いながら「はい」としか言いようがない。

*Monny Son〜2018年9月7日に放送された Mnet ‘Show me the money777’で、ピンクの覆面をかぶって参加したラッパー。韓国のゴム手袋「マミソン」と同じ名前で参加した。

*Mad Clown〜韓国のラッパー。Mnet 「SHOE ME THE MONEY 777」に登場したMommy Son(マミソン)とMad Clown(マッドクラウン)が同一人物ではないかと話題になった。

*Coffee Copy Girl〜2015年1月9日に発売されたMad Clownのアルバム「Piece of mine」に収録されている一曲。大学を卒業した女子大生の社会人生活の内容である。女性であれば化粧をしスカートを履いて「事務室の花」でいなければならず、コーヒー出しとコピーの繰り返という女性の職場での現実が歌詞に書かれている。

 

業務もとても大変だった。 マーケティングは私の想像の範囲外のことだった。 マーケティングと言うと、すごい素敵なキャリアウーマン現代女性みたいで、創意力がある人みたいで、そんな想像の羽振りをしていたのに、現実のマーケティング部では一日中スカートをはいて綺麗に座って、エクセルだけ叩いていた。 二重に苦痛を受ける日々だった。

 元彼はそんなつらい時に、魔法のようにポンと現れた。 最初は顔があまりにも私のタイプだったので会ったのだが、会えば会うほどほど素敵な人だった。 「君の好きなことをして欲しい」という彼の応援は私に勇気を与え、その勇気はマーケティングを勇ましく打ち切ってエディターになれるように私を導いた。 私の進路に多大な影響を与えた彼は、私の人生を助けに来た私の「救援者」だった。

 しかし、完璧な恋愛ではなかった。 彼は忙しかったのだ。 「悪い男」より恋人をもっと心苦しくさせる 「忙しい男 」だった。 午前1、2時に退社する日も多く、週末にも、しばしば急に会社に呼ばれて行った。 恋愛序盤にはいくら忙しくても30分でも顔を見るために夜遅くでも駆けつけてきた彼だったが、次第にそんなことは減った。 私のインスタグラムには突然このような文が出されるようになった。

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女が別れを告げる8つの状況...★

理解しようとした。 そして毎回、私は理解したよ。
でも知ってる? 理解が続くと… 愛がなくなってしまったよ…
#愛 #感性文 #文章 #良い文 #ソンパルしたらマッパル

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*ソンパル=先にフォロー、マッパル〜お互いにフォロー 

 こんなCyWorld時代にでも受け入れられそうな感性文句を見ながら嗚咽する夜が増えた。 一体いつまでこのソフトウェア開発者のような男を理解しなければならないのか。 そもそも韓国はなぜ52時間勤務制がないの? 私たちはどんな民族ですか... OECD平均より働く民族。 シクシク…

*CyWorld〜1999年9月1日に始まった韓国のソーシャルネットワークサービス

 

そのような不穏な考えをしながら涙を流した。 結局、我々は労働環境問題に打ち勝てないまま、彼が一生懸命働いて稼いだ金で結婚した。

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Puppy love is really evident in this couple! You can see it in his eyes! Xiu Xiu's white veil and Tin Tin's bow tie are seen here bringing this doggy couple a touch of elegance.
Justin Young via Getty Images

💍👰🏻🤵🏻❤︎突然、雰囲気ハッピー!💍👰🏻🤵🏻❤︎

 

どうせ結婚して一緒に住むようになったら家には帰らなければならないから、忙しいのは大した問題にならなかった。 午前1時に終わっても2時に終わっても、朝に目覚めたら私のそばにいなければならないはずだから。 そしてこれは私たちが意図したわけではないが、結婚をするやいなや週52時間勤務制が導入され現夫(=元彼氏)の退社も少し早くなった。 私たちは恋愛の時より忙しく、より幸せな生活を営むようになったのだ。 たとえ休暇は10日前の告知であったとしても、昔に比べたら、目覚ましい発展だ。

 いずれにせよ、それでもこのようにたまに夫が家にいない夜なら、夜明けになっても退勤できなかったその元彼(現夫)とのあの時代を思い出せそうだ。 それでは皆さん、今日の夕方は早く帰って、元彼トースト召し上がってください.。下は元彼トーストのレシピ。

1.食パンを焼いて

2.そこにクリームチーズを塗って

3.電子レンジで10秒回す

 

ハフポスト韓国版を翻訳・編集しています。

 

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