2019年のメンズコレクションでマイケル・ジャクソンをフィーチャーしていたルイ・ヴィトン。
ジャクソンに関連する全てのアイテムをショーから取り下げると発表した。
決定のきっかけになったのは、米ケーブルテレビHBOで放送されたドキュメンタリー『Leaving Neverland (リービング・ネバーランド)』だ。
このドキュメンタリーでは、幼少時にマイケル・ジャクソンに性的虐待を受けたと主張する二人の男性が取り上げられていて、社会に衝撃を与えている。
ルイ・ヴィトンの2019年のメンズコレクションは、1月にパリでスタートした。
『Billie Jean』のミュージックビデオを想起させるランウェイや、『Remember the Time』『Beat It』でジャクソンが身につけている衣装にヒントを得たアイテムなどが、多数使われている。
ルイ・ヴィトンは3月14日に発表したリリースで、ジャクソンに関連するアイテムを取り下げた理由について次のように発表した。
「幼い頃に、マイケル・ジャクソンに性的虐待を受けたという二人の男性を取り上げたドキュメンタリー『Leaving Neverland』は、我々にとって大きな痛みをもたらすものでした」
「前回、(パリで)メンズコレクションのショーを開いた時には、我々はこのドキュメンタリーのことを知りませんでした」
ルイ・ヴィトンのアートディレクター、ヴァージル・アブローは、2018年に同ブランド発の黒人デザイナーとなり注目を集めた人物だ。
アブローはリリースの中で、今回の決定についてこう説明する。
「我々のショーの狙いは、ポップ・カルチャー・アーティストとしてのマイケル・ジャクソンに光を当てることでした」
「我々が知っているパブリックな場面におけるジャクソン、そして全ての世代のアーティストやデザイナーに影響を与えた彼のレガシーです」
「しかし、ドキュメンタリーがゆえに、ショーは感情的な反応を引き起こしています。私はどんな形の児童虐待、暴力、人権侵害も強く非難します」
同ブランドのマイケル・バークCEOは「我々は、ドキュメンタリーの主張を、大きな問題で憂慮すべきことだと考えています。子供の安全と福祉は、ルイ・ヴィトンにとって何より大切なものです」と述べる。
『Leaving Neverland』は、3月初めにアメリカで放送された。
子供の時に、ジャクソンの邸宅であるネバーランドやその他の場所で、ジャクソンに性的虐待を受け続けたと訴えるウェイド・ロブソンさんとジェームズ・セーフチャックさんを描いた作品だ。
ドキュメンタリーに内容が明らかになった後、多くのファンがジャクソンを擁護し、ロブソンさんとセーフチャックさんを非難している。
ジャクソンの家族は、同ドキュメンタリーが1月にサンダンス映画祭で上映された後に「公開リンチだ」と非難するリリースを出した。
「みんなマイケルを悪者にしたがります。それは、彼がユニークだから。しかしマイケルは、徹底的な捜査を受けました。ネバーランドやその他の所有地をを突然捜強制捜査されたこともあります。そして陪審裁判では完全無罪と判決が出ています」
「この件に関してひとつも証拠が出ていないのです。それなのにメディアは嘘の告発を信じようとします」