ロンドンに衝撃が走った。イギリス国会議事堂付近で「テロ攻撃」が発生し、5人が死亡した。
通行人3人がウェストミンスター橋で次々と襲撃犯の運転する車にはねられ死亡し、警官1人が襲撃犯に刃物で刺され死亡した。また、少なくとも40人が負傷し、数人が重体となっている。警察は、襲撃犯がイスラム過激派の影響を受けた可能性があるとみている。
国会議事堂の敷地は封鎖され、庶民院と貴族院の審議は共に中止された。政治家と国会議事堂の職員は、建物内に留まった。
封鎖された議事堂内に、見学者を含め多くの人たちが閉じ込められたが、その中にはサマセット州ブリッジウォーターから来ていたセント・ジョーン・アンド・セント・フランシス・チャーチ・スクールの児童たちもいた。
6年生の児童たちがロンドンへの見学旅行のため出発しました。国会議事堂の訪問を楽しみにしています。
児童たちは、セントラルロビーにいた職員や観光客たちを勇気づけようと、イースターの讃美歌を歌った。
私たちは皆、国会議事堂の真ん中に座っています。私たちは無事ですし、楽しく、歌で雰囲気を明るくしています。
■ メイ首相「恐怖に屈しないでください」
イギリス議会は後に公式SNSで、翌日から通常通り議会を開くと告知した。
庶民院と貴族院はどちらも、23日、通常の時間に開催されることを確認した。
この投稿を、上下両院議員がこぞってリツイートした。
そう、その通り!
テロリストには絶対負けない。
国会議事堂で惨劇が今日起きたが、イギリスの民主主義はこれからも止まらない。テロには絶対に屈しない。
テロリストに屈してはならない。@UKParliaent(イギリス国会): 下院(庶民院)と上院(貴族院)両方とも、明日通常通り審議が行われることを約束する。
ロンドンではこれまでもテロ攻撃があったことから、今回の冷静な対処を指摘するツイートもあった。
時として、あえて冷静になって前進するのがイギリス国民だ。
民主主義を攻撃する連中に対する最も適切な対処法は、議会を通常通り開くことだ。
ルール・ブリタニア(「統べよ、ブリタニア!」イギリスの愛国歌)
恐ろしい日にこのツイートを読むと、気持ちがいくらか安らぐ。
さらに世界中から共感のツイートが寄せられた。
イギリスが再び世界に模範を示し、テロリストの「士気をくじく」時です
(テロ攻撃そのものではなく、それに対する過剰反応こそがテロリストの最大の目的ですから)
第二次大戦中のドイツ軍によるロンドン大空襲、V2ロケット攻撃やIRA(アイルランド共和軍)のテロが続いた時代を覚えているロンドン市民はまだいる。だから落ち着いて、前を向いて歩こう。
テリーザ・メイ首相はダウニングストリート10番地の首相官邸で会見し、以下のような声明を発表した(抜粋)。
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今回の襲撃が議事堂で起きたのは偶然ではありません。テロリストたちは、私たちの首都の心臓部を狙ったのです。ここはあらゆる国籍、宗教、文化を持つ人々が集まり、自由の価値観、民主主義、そして言論の自由を謳歌する場所なのです。
だからこそ、この価値観を否定する人たちの標的になるのです。
しかし、以前と同じく、今日断言しなければなりません。暴力と恐怖によって私たちの価値観を打倒しようとする試みは失敗する運命にあります。
明日の朝、通常通りに議会を開きます。私たちはいつもと同じように活動します。そして、ロンドン市民も、世界中からこの偉大な都市を訪ねて来た人々も、起き上がっていつも通りの一日を過ごします。列車に乗り、ホテルを出て、通りを歩き、普段通りに生活します。そして私たちは、みんな一緒に前進します。恐怖に屈しないでください。決して、憎悪と悪の声にかき乱されてはなりません。
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ロンドンのサディク・カーン市長は、公式声明で「ロンドン市民がテロリズムの脅威に屈することは決してありません」と明言した。
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全てのロンドン市民、またロンドンを訪れている全ての人々に、騒ぐ必要はないと、あらためて保証したいと思います。私たちの都市は、依然として世界で極めて安全な都市です。
ロンドンは世界最大級の都市であり、私たちを傷つけようとしたり、私たちの生活を破壊しようとしたりする者たちを前にしても、団結して立ち向かいます。
これまでもずっとそうでしたし、これからもずっと同じです。ロンドン市民がテロリズムの脅威に屈することは決してありません。
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多くの人が「わたしたちは恐れない」という言葉を添えたロンドン地下鉄のロゴをネットでシェアした。
ハフィントンポストUK版より翻訳・加筆しました。
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