アメリカの日用品メーカー・ダヴが10月6日にFacebookに掲載した動画広告が、「人種差別的」だとして世界中で物議を醸している。そんな中、広告動画に出演した黒人女性のローラ・オグンエミさんが、英メディア・ガーディアンで「私は、被害者ではない」とダヴを擁護した。
問題となった動画広告はボディウォッシュの宣伝のため制作されたもので、黒人女性が茶色いTシャツを脱ぐと白いTシャツを着た白人女性が現れ、その女性がTシャツを脱ぐと今度は別のベージュのTシャツを着た女性が登場するという内容だった。
<モデルのナオミ・ブレイクさんのFacebook投稿>
この動画に対して、SNS上では「この広告は黒い肌が汚いものといってるのか」などといった非難を含む、賛否の声が殺到したとハフポストUK版など複数のメディアが報じた。
2011年に同社が制作し「人種差別的だ」と非難された広告を引き合いに出し、ダヴ社を批判する声も相次いだ。
ダヴは7日にFacebookの動画投稿を削除し、8日に同社SNSアカウントを通じて「黒人女性を思慮深く表現することにおいて的確ではなかった」と謝罪した。
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多くの人が、この動画を人種差別的な表現と受け止め、不快感を持った一方で、出演した当事者であるオグンエミさんはガーディアンに「ダヴのチームとの仕事はとても前向きなものだった」と告白し「私は(動画が)とても気に入った」などとつづった。
オグンエミさんは、炎上直後にきちんと謝罪したダヴの姿勢を評価しつつ「謝罪するだけでなく、制作したクリエイティブの意図や、明らかに黒人女性である私をキャンペーンの"顔"として迎えるという判断をしたということをもっと主張しても良かったのに」と心中を語った。
オグンエミさんは、ガーディアンに寄せた手記を以下の言葉で締めくくっている。
"私は、誤解されたキャンペーンが生んだ声なき被害者ではない。私は強いし、私は美しいし、私はこれからも、決して削除されない。"
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