「人のことをあれこれ言う前に、自分の内側に目を向けたら」――人気シンガーでラッパーのリゾが、体型への批判をTikTokで痛烈に反論した。
リゾは6月9日、「ファットシェイマーじゃない人はスクロールして」というメッセージとともに動画を投稿。
ファットシェイマーとは、ふくよかな体型を批判したりバカにしたりする「ファットシェイミング」をする人たちのこと。彼らへのメッセージとして、リゾは次のように語った。
この5年くらい、私は定期的に運動しています。それなのに私が望むような体型じゃないことに、驚いている人もいるかもしれませんね。
私は自分の理想の体を目指して運動してます。どんな体型かって?それはあなたには関係ない。私は美しくて強い。自分のやることをやって、これからも続ける
だから今度、ケールスムージーを飲むとか、マクドナルド食べるとか、ワークアウトするとかしないとか、誰かに向かってあれこれ批判したくなったら、自分自身に目を向けて見て、自分の体のことを心配したら?
健康かどうかは外見だけで決まるものじゃない。健康かどうかは心のあり方も関係してる。あなたたちに必要なのは、自分の内側を綺麗にすること
「Good as Hell(グッド・アズ・ヘル)」やTruth Hurts「(トゥルース・ハーツ)」など、力強く前向きな曲で人々を魅了してきたリゾ。2020年のグラミー賞では3冠を達成している。
曲に加えて、SNSなどで彼女が発信するボディ・ポジティブなメッセージも、たくさんの人たちを勇気付けてきた。その一方で、彼女の体型に対する批判は絶えない。
2019年末には作家のボイス・ワトキンズが、「リゾが人気なのは、太っているから」とツイートし、彼女の体型を批判した。
「リゾが人気なのは、アメリカで肥満がまん延しているからだ。彼らのような人たちに、『どうにかした方がいい』と言う代わりに、『そのままでいいんだ』と嘘を伝えている。残念なことに、彼らのような人たちの多くが糖尿病や心臓病で亡くなっている」
このコメントに対し、リゾは3日後に「自分の人気は才能によるものだ」と反撃している。
「私が人気なのは、いい曲を書くからそして才能があって、エネルギッシュで愛に溢れたパフォーマンスを1時間半できるから。どうにかしたほうがいい人間はあなただけ」
こういった前向きなメッセージを続ける一方で、度重なるネットでの攻撃は、彼女を疲弊させてきた。
リゾは1月に「もうこれ以上、Twitterをやれない。嫌がらせをする人が多すぎる。またやりたくなったら戻ってくる」Twitterを休むと宣言した。
この投稿の後、ツイート数は大きく減り、内容もお知らせなどが中心になっている。
■ それでも発信を続ける
それでも自分自身や体型批判をされている人たちのために、リゾは発信を続けている。
9日の投稿の数日前には、別のTikTokへの投稿で、大柄な体型の女性がTikTokに自分の体を投稿すると「リゾのようだ」とコメントする人がいるが、それは褒め言葉だと語っている。
「大柄な女性たちが、自分自身を愛して自分の動画を投稿して、それで彼女たちが自分の体を愛して自信を持っているのを見て、私を連想するとか私みたいだって?それってめちゃくちゃ褒め言葉でしょ」
動画のキャプションで「体の大きな女の子たち、あなたたちは美しい!!!」と、リゾは伝えている。
新型コロナウイルスで自宅待機が広がった後、体の大きな女性たちの中には「自宅で食べすぎて太った」という言葉が体型批判を強める、と懸念を示す人たちもいる。
体型の多様性を否定しかねない動きに対し、#MyQuarantineBody(私の自宅待機中の体)というハッシュタグをつけて、自分の写真を投稿するムーブメントも起きている。
新型コロナウイルスの影響で体型批判が増えかねない今、リゾの発信は多くの人たちを勇気付けている。