米ディズニーに対し、映画『ライオン・キング』の挿入歌のタイトルになっているスワヒリ語の言葉「ハクナ・マタタ」の商標登録取り消しを求めるインターネット署名に、4万筆以上の署名が集まっている。
BBCによると、今回の署名は、ジンバブエの活動家Shelton Mpalaさんが開始した。
スワヒリ語で「問題なし」または「心配なし」を意味する「ハクナ・マタタ」という言葉は、1994年、ディズニーのアニメーション映画『ライオンキング』が公開されたことで世界的に知られるようになった。
米ディズニーは同年、「ハクナ・マタタ」の商標登録を出願。2003年に認められた。
署名活動は、2019年の『ライオン・キング』実写リメイク版公開に際し開始されたとみられ、発案者のMpalaさんは、「ハクナ・マタタという言葉は、タンザニアやケニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、モザンビーク、コンゴ民主共和国などスワヒリ語圏の国に住む人々のほとんどが使用している」と主張。
「同社が発明しなかったものに商標を付けることは許されるべきではない」としている。
ハリウッドやファッション界で頻繁に問題になる「文化の盗用」。この問題について、ウェブメディア「CELESY」は以下のように解説している。
つまり、これらのコミュニティの人々は文化的、宗教的な意味合いがある伝統をその意味を理解せず、その上勝手にトレンドとして使用を煽るような行動は、彼らの文化を盗用していると感じている。
白人は他の文化を一部利用するも、個人の裁量でそれを利用しないも選択の余地があるけど、マイノリティの人々はその文化を背負って未だ人種差別が残る社会で生きていくしか道がない、という不平等な文化搾取からもこの「盗用」という表現が為されている。
(【連載企画第一弾】Cultural appropriation(文化の盗用)って何?人気フェス・コーチェラから見えてくる意外な一面|海外セレブ&モデルの情報満載[セレシー]より 2016/06/09)
2016年にも、ディズニーが販売するハロウィンコスチュームに対し、文化が盗用されたとして、ニュージーランドの先住民マオリ族が抗議の声をあげた問題があった。
ファッション界では2017年2月、アメリカの人気ファッション誌VOGUEで「芸者」風スタイルの写真が掲載され、「日本の文化を盗用した」という批判が起きた。モデルのカーリー・クロスがTwitter上で謝罪する事態に追い込まれたが、Twitterの日本語ユーザーからは、「それほどおかしくない」と擁護するツイートもみられた。