LINEのゲームアプリの課金アイテム2つが資金決済法で規制される仮想の「通貨」に当たることを関東財務局が認定したと毎日新聞などが5月18日に報じた。この認定によって、LINEは顧客が未使用の「通貨」残高の半額を保証金として法務局などに供託する義務が生じる。
同社は供託をしておらず、財務局が同法違反の疑いでLINEに立ち入り調査をしていたことが2016年4月に報じられた。LINE側は立ち入りを認めたが、この課金アイテムは法規制の対象となる「通貨」には当たらないと見解を発表していた。今回の認定でLINE側が支払うことになる供託金の不足額は、2016年3月末時点で約125億円に上る。銀行との保全契約により実際の支払いは数千万円程度だという。
LINE POPで「宝箱の鍵」を使用する画面
資金決済法とは、電子マネーなどの前払い(プリペイド)式の支払いや、ネットを介したお金のやり取りについての規制を定めた法律で、2010年に新しく施行された。利用者が代金を前払いするプリペイドカードやネット上で「通貨」のように使われる課金アイテムなどが規制対象となる。万一、事業者が倒産した場合などに、未使用分を利用者に返金できるように、事前に財務局へ供託金を支払うよう義務付けられている。LINEはこの課金アイテムについて、供託をしていなかった。
今回、通貨に当たると認定された課金アイテムは「LINE POP」で使われる「宝箱の鍵」と「LINE PLAY」の「クローバー」の2つのアイテム。宝箱の鍵はゲームで獲得したアイテムを使用する際などに必要になるもの。鍵1本当たり約110円相当で、2015年5月当時の未使用残高は約230億円。
LINE側は「宝箱の鍵」について社内でも「通貨に当たるのでは」との指摘があり、検討していたという経緯を明かしている。「宝箱の鍵」の仕様は2015年7月に「より保守的に」変更されていたが、LINE側は「仕様変更前であっても、外観や使用場面等を総合考慮して前払式支払手段に該当しないと判断しております」と見解を発表していた。
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