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「Uターンして、のんびり働いて...なんて考えは捨てるべき」LINE Fukuoka 鈴木優輔はそう考える

就職を機に、地元福岡から東京へ。30代になり、働き方を変え、さらに成長するために福岡へUターンを果たしたLINE Fukuoka 鈴木優輔さんへインタビュー。Uターンを検討する地方出身者にヒントとなる、Uターンについての考え方を伺った。
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就職を機に、地元福岡から東京へ。30代になり、働き方を変え、さらに成長するために福岡へUターンを果たしたLINE Fukuoka 鈴木優輔さんへインタビュー。Uターンを検討する地方出身者にヒントとなる、Uターンについての考え方を伺った。

■地元に求めたのは、のんびりした環境ではなく、自己成長に必要なインプット

大学入学や就職を機に上京後、30代に突入。

刺激の多い街、多様な人、そして目まぐるしいスピードで進む仕事から離れ、生活バランスの良い地元へUターン転職を考える人は多い。

しかし、のんびりした環境を求めるわけでも、家族のためでもなく、自分の成長のために地元に戻ったという人がいる。2014年7月、LINE Fukuokaに転職したばかりの鈴木優輔さんだ。

福岡出身。大学卒業後、日本電気(NEC)に就職し上京。その後、リクルートコミュニケーションズに転職をして11年。クリエイティブディレクターとして社内外に評価され、昇進もし、順風満帆だった彼が何故、LINE Fukuokaに転職し、Uターンしたのか。地元福岡で見つけた自分に合った働き方とはなんだったのか。Uターン転職を検討する地方出身者へのヒントとなる、Uターンする上での考え方を伺った。

[プロフィール] LINE Fukuoka LINE@チーム

チーム長 鈴木優輔

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九州の大学を卒業後、日本電気(NEC)に就職し東京へ。リクルートグループの制作会社であるリクルートメディアコミュニケーションズ(現リクルートコミュニケーションズ)に転職。九州支社クリエイティブディレクター、西日本エリア責任者を歴任。2014年7月よりLINE Fukuokaに入社。

■東京で成長の限界を感じて決断。地元福岡への異動

― LINE FukuokaへのUターン転職のお話を伺う前に、東京時代、一度福岡に異動したことが鈴木さんの人生の大きな転機になったと伺いました。一体どんなことがあったのでしょうか?

はい。リクルートコミュニケーションズに転職したのが約11年前。クリエイティブディレクターとしてがむしゃらに働き、7年経つ頃には社内外で評価されるようになっていました。クリエイターとしてやりたいと思ったことは一通りやって、表彰もされて、周りから見ると順風満帆だったと思います。でも、その時僕の中では成長の踊り場に出たと感じていたんです。あれ?これ以上やっても成長しないな、なんでだろう、そう考えた時に気づいたんですね。仕事しかしていないからだ、と。

特にクリエイティブの仕事って、働いてばかりいるとインプットがなくなるじゃないですか。すると、仕事の成果としてのアウトプットに限界が来る。出すものがなくなってバランスが悪くなってしまう。でもインプットする時間はないし...と言い訳してしまったり。会社の飲み会に行っても、仕事の話ばっかりしている自分がいて、なんてつまらん男なんだ、こんな人生は幸せなのかと自問自答していましたね。

周りに楽しんでもらいたいと思ってクリエイティブの仕事をしているのに、そもそも自分が楽しめているのかどうか。深く考えていくと、自分の社会的な役割や、自分の生まれてきた意味が何なのかまで及びました。色々と思考した結果、自分の良さを最大限活かすためにチャレンジがしたいと、地元である福岡に異動させてもらいました。

地元で生活も変わるし、家と職場も近い。東京に比べて楽になった分、インプットが足りないから成長できないとか、仕事ばかりの生活でインプットできないとか、言い訳はできない環境。東京でできなかったことが福岡でもできなかったら、結局お前何もできないじゃんって話になる。背水の陣を敷いて福岡に戻りました。

― 地元福岡で、目的となるインプットを得るために、どんなことをされたのですか?

そうですね。インプットを増やそうと、地元の交流会に出席したりしたんですけど、最初は全然ダメで。名刺交換は苦手だし、仕事ばかりしていた人間なので、畑違いの飲食業の方とかと出会うとまったく話がかみ合わない...。その時ですね。変なプライドを捨てたのは。苦手なことでもなんでもやろうと、福岡の社会人や学生とのネットワークを広げようと、twitter等を使いながらがむしゃらに動きました。

苦手なことでもやってみると見えてくるものがあって、それは何かと言うと、福岡の社会人・学生は、東京に比較して負けない、勢いのある人が結構いるな、ということでした。反面、働くのが面倒臭いとか、のんびりした人も多くいて極端な街。これではここで働きたいって思えず、上京しちゃう人多いだろうな、良くないな、と。

地元の人にしてみれば、はっきり言って余計なお世話なんですけど(笑)、何かできることはないかと思って、大学生向けに働くことを体験できるワークショップを企画しちゃった。有志の社会人を講師にして、働くことは楽しい、きついだけじゃない、地元でもこんな働き方があるとワークを通して発見してもらうというもの。ゼロから作って、色々交渉しながら形にしたら、講師も大学生も喜んでくれて、手応えを感じましたね。

地元でインプットしたことから課題に気づいて、ワークというアウトプットが生まれた。まさに僕がやりたいと思っていたことができた瞬間でした。これは大きな自信に繋がりましたし、「世の中の課題を見つけて、サービスを作りたい」という自分の長所が見えてきました。

■自分の長所を最大限に生かせる場所を探すべき

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― その後、福岡から大阪に異動。西日本エリアの責任者になられた。そんな鈴木さんが、LINE FukuokaへUターン転職しようと決めた理由は?

独立して会社を作ることも考えました。ですが、より多くの仲間と事業・サービスを作りだした方が、「周りに楽しんでもらいたい」という元々の思いは、大きな形となって実現できる。そう思っていたところLINE Fukuokaと出会いました。

最初は、LINE本社に対してLINE Fukuokaは支社だと思っていたので、それなら事業は作りだせないなと感じていたんです。「LINE Fukuoka株式会社という独立した会社。現時点では運営主体だけど、将来的にはここから事業を作りだしたい。福岡の地でLINEの新しい歴史を作っていきたい」と面接で意気投合し、これは呼ばれていると感じました。福岡で培った人脈もできていたし、前途多難だけどチャレンジしてみよう。そう考えてこの7月に転職し、大阪から福岡にUターンしました。

しかし、入社したからと言って何か約束されたものがあるわけではなく、自分で仕事を作るしかないという状態。いまLINE@チームの責任者をやっていますが、元々はLINE@に参画する店舗の審査・本人確認・メール問い合わせ等を行っている部隊。そこに新しいメンバーを編成して、店舗とユーザーの双方に新しい体験を提供して、地域を盛り上げていけるようなチームを目指しているところです。

― 今後も福岡から事業・サービスを作っていくんですね?

そうですね。まずはここで成果を出したいですね。

リクルート時代の福岡への異動から4年間、ワークショップの他にも色々挑戦して成果を出してきて、自分の長所を最大限に生かせば、周りの人を喜ばせられるし、周囲のためになるってわかったんです。だから、自分の長所を最大限に生かせる場所を探した。僕の2つの長所-「福岡にネットワークを持っていること」、そして「世の中の課題を見つけて、サービスを作るのが好き」-を、現時点で最大限に活かせる場所がLINE Fukuokaという場所だったんです。ですが、大事なのは福岡という場所にだけこだわるのではなく、自分が最も活きる場所、貢献できる場所にいることだと思います。

今、週1回は東京のLINE本社に行くようにしています。東京の動き、世界を相手にビジネスしている会社の空気を直接吸い込むという新たなインプットを得て、福岡という場所でアウトプットしています。福岡、東京、世界、バランスが大事ですね。

― では、地元にUターンしたいと考えている人にアドバイスをするとすれば?

ただ地元に帰るだけだと何もできないと思います。逆にただ上京するだけでも何もできなくて、やっぱり東京は違ったとなる。結局はどこにいようとも、まずは自分ありきなんじゃないかな。のんびりした環境にUターンすれば自分も変われると思うのは間違っていて、まず自分の何が変えられるのか、できるのかを考える。それで、どうしても変えられない部分があった時に、自分の長所を最大限に活かせる場所に変えてみようという話になるべき。

なので、地元に戻るのであれば、自分の長所を把握して、自分なりの問題意識や考えを持って行くことをお薦めします。そして、しっかりと軸を持ったうえでチャレンジしてみる。その時の情熱を持ち続ければ、今いる場所とはきっと見違える成果が、次の場所で出せるはずです。

― 鈴木さんの地元での挑戦は、これからUターン転職を検討される地方出身者の方々に、働き方を考える一つのヒントになると思います。ありがとうございました。

[取材]松尾彰大 [文]手塚伸弥

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