NHK連続テレビ小説「あまちゃん」で国民的人気を得たものの、所属事務所からの独立騒動・芸名変更をして以来、女優業からは遠ざかっていたのん。彼女が、ついに女優として復活する。
「女優のん」が見られるのは、LINEがつくる初のオリジナル連続ドラマだ。LINEが8月22日、発表した。ドラマのタイトルは『ミライさん』。共演者には、本郷奏多、堀内敬子、マキタスポーツが名を連ねる。
ドラマは9月8日(土)にスタートし、毎週土曜午後8時から、同社が運営するニュースサービス「LINE NEWS」で全5話にわたって配信されるという。
『ミライさん』は、現代より少し先の未来を生きる家族の日常を描くホームドラマ。毎日ジャージを着てゲームばかりしている主人公「ミライさん」をのんが演じ、そんなミライさんをサポートする兄・トモロウ役を本郷が務める。
同ドラマの完成発表会に出席したのんは、ジャージばかり着ているミライさんのイメージに合わせて、赤いジャージ風スカートを着て登場。「今まで一番演じた役の中で一番クズだなぁ、と思いました」と撮影を振り返り、晴れやかな表情で「本当に楽しいドラマが出来ました。4人家族を見ていて楽しくなってくると思います。みなさん、お楽しみに」と語った。
ドラマが配信される「LINE NEWS」の月間利用者数は6300万人(LINE発表)。報道媒体のニュース配信に加え、動画などオリジナルコンテンツの拡充に注力しており、同ドラマのプロジェクトはその一環という。
チーフプロデューサーを務めるLINEの谷口マサト氏によると、ドラマのテーマは「明るい未来」。「最近は暗いニュースが多いが、その暗いニュースを見て落ち込んでいる人が、(ドラマで描かれる)アホみたいな"ミライの家族"を見て、ちょっとは未来が楽しそうだな、と思ってもらいたい」と意気込みを語った。
のんは、NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」で大人気女優となったが、所属事務所との独立トラブル後、2016年6月に事務所との契約を終了。2016年6月、本名の「能年玲奈」から「のん」に芸名を改名すると発表した。
騒動後、テレビ出演などのんの芸能活動は限られたものになっていたが、2016年11月公開のアニメーション映画『この世界の片隅に』(片渕須直監督)で、主人公・すずの声優に抜擢。同作は日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞やブルーリボン賞などを受賞し、高い評価を受けた。
その後は音楽やアーティスト活動などを精力的に続けていたが、今回発表されたLINEの連続ドラマによって、待望の「女優復帰」が実現した形だ。LINEとは、2017年から同社の格安スマホ事業「LINEモバイル」などのCMに出演し、関係を築いてきた。
のんは8月21日公開されたORICON NEWSのインタビューで、「私にとって女優は、創作していくなかの一つの感覚です。女優のお仕事によってたくさんの人に知っていただいているので、私にとっては大事なお仕事です」と女優業にかける思いを語っていた。