人事向け総合情報サイト『人事のミカタ』上で、サイトを利用している企業を対象に「LGBTの認知度」についてアンケート調査を実施。563社から回答を得ました。以下、概要をご報告します。
★ 企業におけるLGBT認知度は8割以上。
★ 5割は「LGBT社員が社内にいるか分からない」と回答。採用・在籍実績のある企業は1割に留まる。
1:企業におけるLGBT認知度は8割以上。(図1、図2、図3)
平成29年5月16日、一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)は企業に対し、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとった性的マイノリティーの総称)への適切な理解を促すとともに、その認識や受け入れを進める上での視点と、取り組み例を示しました。社会においても、LGBTの存在を訴え、差別や偏見に対して声を上げる運動が起こり、LGBTの認知は広まりつつあります。
企業の経営者、人事担当者に「LGBTについて、ご存知ですか?」と伺ったところ、85%が「聞いたことがあり、意味も知っている」と回答しました。業種別に見ると、最も認知度が高かったのは「商社」(96%)で、「聞いたこともなく、意味も知らない」と最も多く回答したのは「金融・コンサル関連」(14%)でした。企業規模別で見ると、「聞いたことがあり、意味も知っている」と最も多く回答したのは「1000名以上」(95%)でした。
【図1】LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとった性的マイノリティーの総称)について、ご存知ですか?
【図2】LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとった性的マイノリティーの総称)について、ご存知ですか?(業種別)
【図3】LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとった性的マイノリティーの総称)について、ご存知ですか?(企業規模別)
2:5割は「LGBT社員が社内にいるか分からない」と回答。採用・在籍実績のある企業は1割に留まる。(図4、図5、図6)
「自社でLGBT社員を採用していますか?もしくは、これまで在籍されていましたか?」と伺うと、「わからない」(46%)が最多でした。「LGBT社員がいる・いた」と回答した企業は12%に留まりました。企業からLGBT社員の在籍を確認することは難しく、また本人も公表をしない場合が多いため、把握することが難しいようです。
業種別で見ると、「LGBT社員がいる(いた)」は「サービス関連」(17%)が最多でした。企業規模別に見ると、「1000名以上」が42%と、全体平均を大きく上回りました。企業規模が大きいほど、採用・在籍率の高さがうかがえます。
【図4】自社でLGBT社員を採用していますか?もしくは、これまで在籍されていましたか?
【図5】自社でLGBT社員を採用していますか?もしくは、これまで在籍されていましたか?(業種別)
【図6】自社でLGBT社員を採用していますか?もしくは、これまで在籍されていましたか?(企業規模別)
LGBT社員についての悩み
・表に出していないだけで、もしかしたらすでにLGBT社員を雇用している可能性もあるが、なかなか確認をしづらい。(流通・小売関連/1~9名)
・中小企業だと、環境のインフラ整備や制服など、すぐに対応できないことが多く、LGBT社員に不便を感じさせてしまわないか不安。(商社/30~49名)
・LGBTについては会社から社員に確認することは出来ないため、現時点で在籍しているかは不明です。しかし、自己申告された時に、会社としてどのような対応が必要かがわかりません。(IT・情報処理・インターネット関連/50~99名)
・事務所が自社ビルでないため、「だれでもトイレ」などの設置が難しい。同フロアに多数の会社が入っているので、自社の方針だけで「女子トイレ(男子トイレ)を使っていいよ」とも言えない。(メーカー/50~99名)
・どのように対応すべきか社外事例を知りたいが、同業の具体的な事例はまだないと思う。(不動産・建設関連/300~999名)
【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:『人事のミカタ』を利用している企業
■有効回答数:563社
■調査期間:2018年9月26日~10月30日
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