PRESENTED BY LEXUS

デザインの力で未来は変えられる。LEXUSがそう信じる理由

「LEXUS DESIGN AWARD 2023」の審査員で、トヨタ自動車株式会社 チーフ・ブランディング・オフィサー、サイモン・ハンフリーズ氏に、 デザインアワードと、「より良い未来のためのデザイン」について聞いた。
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「LEXUS DESIGN AWARD 2023」の受賞作品は、ミラノ・デザインウィークで展示された
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より良い未来をつくるためのデザインとは?クリエイターたちの試行錯誤

LEXUS DESIGN AWARDは、LEXUSが掲げる基本原則「Anticipate(予見する)」、「Innovate(革新をもたらす)」、「Captivate(魅了する)」、そして「Enhance Happiness(そのアイデアがいかに人々に幸せをもたらすか)」を具現化する、国際デザインコンペティションだ。LEXUSはデザインを原動力に、より良い未来を導くことができると信じ、その思いに基づきこのアワードを実施している。

11年目を迎えたアワードには、新進気鋭のクリエイターたちが想像力豊かな作品を応募。「Design for a Better Tomorrow(より良い未来のためのデザイン)」のテーマのもと、メンターシッププログラムを通して、メンターと共に作品を創りあげていくという仕組みだ。

今年の審査員は、デザイン界で活躍する、パオラ・アントネッリ氏(ニューヨーク近代美術館 建築・デザイン部門シニア・キュレーター)、カリム・ラシッド氏(デザイナー、カリム・ラシッド Inc.)、サイモン・ハンフリーズ氏  (トヨタ自動車株式会社 チーフ・ブランディング・オフィサー)らが務めた。63の国や地域から寄せられた2068の応募作品より、4組の受賞者が選ばれた。


<受賞者と作品>
・「Fog-X」 パヴェルス・ヘッドストロム
水不足の乾燥した環境において、空気中の霧を集めて水に変え、飲み水を提供するシェルターへと拡張可能なジャケット。

・「Print Clay Humidifier」ジャーミン・リュウ
セラミック廃棄物をリサイクルして作られた、電力を必要としないサステナブルな加湿器。

・「Touch the Valley」Temporary Office(ヴィンセント・ライ、ダグラス・リー)
視覚障がいがある人が、触覚を通じて楽しみながら地形などを学べる3Dパズル。

・「Zero Bag」パク・キョンホ、ホ・イェジン
水溶性プラスチックに紙状の洗剤や重曹のフィルムを組み合わせた、環境に優しいパッケージ。

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ミラノ・デザインウィークで展示された受賞作品
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メンターとの活発な議論を通して、受賞者はストーリー性やデザインなどを再考し、最終的には作品をより良いものへと昇華させた。受賞者は、以下のような様々な分野を代表する世界的なメンターと共に、作品を作り上げるというユニークな経験をした。


<メンター>
・マーヤン・ファン・オーベル氏(ソーラーデザイナー、マーヤン・ファン・オーベルスタジオ) 
・ジョー・ドーセット氏(デザイナー/ ジョー・ドーセットXパートナーズ代表)
・スズキ ユウリ氏(アーティスト・デザイナー/ ペンタグラム パートナー)
・スマイヤ・ヴァリー氏(建築家/ カウンタースペース主宰)


ワークショップや1対1のセッションなど、3カ月のメンターシッププログラムを経て、受賞者はプロフェッショナルとして大幅に成長。ミラノ・デザインウィーク2023の国際的な舞台で、最終プロトタイプを初披露した。

 

今回、ハフポストではトヨタ自動車株式会社のチーフ・ブランディング・オフィサー、サイモン・ハンフリーズ氏に、LEXUS DESIGN AWARD 2023を含むブランド活動、そしてアワードでの経験について聞いた。

 

「将来はデザイナーになったら?」教師の言葉が後押しに。今、審査員として思うこと 

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トヨタ自動車株式会社のチーフ・ブランディング・オフィサーで、LEXUS DESIGN AWARD 2023審査員のサイモン・ハンフリーズ氏
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─デザインに興味を持ったきっかけは?これまでの経歴を教えてください。

幼い頃から絵を描くことが好きでした。13歳くらいの頃、「将来はデザイナーになったら?」と言ってくれた先生がいて、その言葉がきっかけでデザインの道に進みました。そんなふうにアドバイスをしてくれた先生がいて、私はラッキーだったと思います。

大学生活の終わり頃にはロイヤル・カレッジ・オブ・アートの、奨学金がついたコンテストで受賞し、ソニーから「東京で働かないか」と声がかかりました。1988年当時はバブル期で、強烈な印象を受けました。その後、イギリスに帰ってプロダクトデザインのコンサルで働いたのですが、1989年の終わりに日本で働き始めました。

最初の5年は、小さなデザインコンサル会社で働き、家電製品からトイレのデザインまで幅広く取り組みました。1994年にトヨタ自動車に応募し、自動車業界での経験がなかったにもかかわらず、幸運にも入社することができました。

今でも、その時トヨタが私を信頼して採用してくれたことに感謝しています。ロボットからドローンまで、あらゆる種類のモビリティの解決策が重要になる時代において、他の分野での経験が財産になったのかもしれません。

─「LEXUS DESIGN AWARD 2023」のゴールは?

LEXUSというブランドは、「常により良い方法がある」という信念を元に生まれました。1989年に初代LSを発売した時、先入観や固定観念にとらわれない独創的な解決法で、高級車体験を再定義することを目指しました。言い換えると、未来をより良いものへと変えていくクリエイティビティがLEXUSブランドの根底にあり、LEXUS DESIGN AWARDはこの試みをより一層進めていくために、デザイナーやクリエイターをサポートしています。

毎回、受賞者の作品が、メンターシッププログラムを経てどのように進化するのかを見ることを楽しみにしています。最終選考がクリエイティブなプロセスの「終わり」ではなく、むしろ「始まり」であるという点が、LEXUS DESIGN AWARDの非常にユニークな部分だと思っています。

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メンターシッププログラムを経てFog-Xは、当初の大きなバックパックから軽くてコンパクトなジャケットに進化。ジャケットが霧を集めるシェルターになる
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LEXUS DESIGN AWARDの審査員を務めるにあたり、過去のキャリアがどのように役立ちましたか?

優れたデザインは、強力なブランド力と同様に、背景に明確な信念とストーリー性がなければ、人々の心に響かないと考えています。その視点から考えると、デザインとブランディングは基本的に同じものだと思います。

トヨタとLEXUSのデザイン統括として、私がLEXUS DESIGN AWARDの審査員になったのは、自然な流れだったのかもしれません。「創造性」は、全ての動作の根底にあり、アワードでの審査は多くの点でその延長線上にあると思っています。

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セラミック廃棄物をリサイクルして作られた加湿器は、実験を繰り返し、吸収効率を最大化させるセラミックパウダーの配合と形状にたどり着き、機能性のみならず、エレガントなデザインを兼ね備えた
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「デザインの力」とは何かを思い出させてくれる

─アワードの審査、全てのプロセスの中で最も好きな部分は?

最も好きな瞬間は、受賞作品が発表された時の受賞者の表情を見ることです。その他は、審査員たちとの議論かもしれません。応募作品から候補を絞っていく時、どの審査員もフェアであろうと心がけていると思います。しかし、皆で話し合うと、他の審査員の意見や視点を聞くことができます。

審査員たちは皆、違うバックグラウンドや文化を持っているので、全く異なる意見を聞くことで、視野が広がったり意見が変わったりすることを、毎回おもしろいと感じます。

審査を通して、受賞者やデザインに間近で接した経験はどのようなものでしたか?

私たちデザイナーは、より良い未来のために、革新的なアイデアや美しいデザインを通して、社会課題に対する解決策を生み出すという使命を負っています。この点において、受賞作品は「デザインの力」とは何かということを思い出させてくれます。デザイナーたちそれぞれが選んだ目的と、それに対する情熱、作品のストーリー性を見て、とても心強く感じました。

特に、受賞者たちがシンプルで洗練された提案を創り上げる姿を見て、とてもうれしく思いました。それは、決して簡単なことではないですから。

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メンターシッププログラムを経て、Touch the Valleyは磁石による結合や高低差を感じられる溝などの機能を追加し、より楽しむことができるデザインに進化
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─毎年のアワードの審査やメンターシップの機会で楽しみにしていることは?

LEXUSがアワードの審査で設定している基準以上に期待するのはオリジナリティです。より良い提案を実現するためのストーリーやメッセージ性を持ったものです。メンターシップをめぐって、私が今年の受賞者4組に期待していたことは、メンターのアドバイスに耳を傾け、アイデアをより高いレベルへと発展させることでした。

デザイナーにとって、自身の作品に対して批判的になることは簡単ではありませんが、彼らのプロジェクトをもう一段階高いレベルのものにするためには、とても大切なプロセスだと思います。

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Zero Bagはメンターシッププログラムを通して、当初考えていた衣類だけでなく、野菜やフルーツ、ミールキット等にも活用範囲を拡大
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作品の応募は「終わり」ではなく、「始まり」

今年のLEXUS DESIGN AWARDの受賞者の中で際立っていたことは?

皆さんのクリエイティビティには驚かされるばかりでした。全ての応募作品からはシンプルでエレガントな印象を受けました。それは、デザイナーが陥りがちな、「デザインしすぎ」や「考えすぎ」ということではありませんでした。彼らの作品はシンプルでありながら、情緒的でもありました。

より良い未来を目指していく中で、LEXUS DESIGN AWARDはどのような役割を果たすと思いますか?

LEXUS DESIGN AWARDは、世界各地の人々の生活を形作るデザインの重要性を広めるために始まりました。このアワードの特別な点は、作品を応募するということが「終わり」ではないということです。メンターシッププログラムは、受賞者がメンターとアイデアを共有し、作品を大きく改善する、とてもユニークで特別なプロセスです。

皆が繋がる時代に突入した今、「オープンソース・クリエイティビティ」の力を活用することで、あらゆる分野からポジティブな洞察や視点を提供し、デザイナーが人々のニーズをより理解できるようになれば、素晴らしいことではないかと考えています。

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サイモン・ハンフリーズ氏は、デザインは全ての人にとって、より良い未来をつくるものであるべきだと考えている
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全ての人がデザインで幸せになれる。そんな未来に向けて

LEXUS DESIGN AWARDでは、様々な分野で活躍するデザイナーが次世代を担うクリエイターたちの育成に取り組むことで、全ての人がデザインにより幸せを感じることができる世界の実現を目指している。

回数を重ねるにつれ、アワードを支える素晴らしいデザイナーたちがコラボレーションし、イノベーションを起こすことで、可能性は無限に広がっていく。

 

LEXUS DESIGN AWARD 2023や、より良い未来のためにデザインをする今年の受賞者についてもっと知る。

(翻訳:冨田すみれ子)