電話10回よりも直筆の手紙に1時間のほうが価値がある

すべてのコミュニケーションを手紙にすることはさすがに難しいですが、想いを伝えるここぞという時は、時代に逆境するアナログな方法が大切かもしれません。
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小山薫堂さん。

私と同郷の熊本県出身で、「くまモン」の生みの親でもある放送作家の方です。

ご存知の方も多いと思いますが、「料理の鉄人」や「カノッサの屈辱」など数多くのテレビ番組を手がけ、脚本を務められた映画「おくりびと」は、第81回アカデミー賞外国語映画賞、第32回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞するなど、まさにヒットメーカー。

小山さんの書籍やインタビューの中でも心に残っているのは、

  "どこかで誰かを幸せにしているかもしれない。

   そう考えると、自分の仕事がもっと好きになる。

   知らないだけで、今やっていることが、

   どこかで誰かを笑顔にしているかもしれない。

   そんなことを考えて毎日を過ごすだけで、

   人生の充実度が断然変わってくると思うのです。"

という言葉。(著書「つながる技術」からの抜粋)

先日ファクトリエの「Story」というインタビューコーナーでご一緒した際も、"プレゼントする相手の名前を入れることができ、サプライズとしても喜ばれるアイテム"として、「浅草の満寿屋さんの原稿用紙」を挙げられるほど、仕事だけでなくすべてにおいて相手を喜ばせる、幸せにするということを本当に大事にされています。"誰かを幸せにする"というその軸がぶれないことに驚かされました。

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■この時代だからこそ手紙で想いを伝える

私は人を喜ばせたいとき、幸せにしたいと思ったとき、直筆の手紙ほど良いものはないと思っています。

LINEやFacebookで簡単に連絡をとれる時代だからこそ、自らの手で書いた手紙が最も想いを伝えられると。

ビジネスにおいてどうしてもお会いしたい方がいる時も、心を込めてお手紙を書くことにしています。秘書の方から面会は難しいとお断りを受けても、改めて想いを伝える手紙でご返信します。(もちろん、失礼のない程度を図りつつ)

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これまでの経験から手紙の大切さをとてもわかっていますが、手紙を書くという習慣がない人が多いのではないでしょうか。

 ・きれいな字ではないから自信がない

 ・結局会えなかったときに、書いた時間が無駄になる気がする

 ・会いたいなら電話で直接やったほうが早い

など、人それぞれ思うところはあると思いますが、結局何度電話しても永遠に会えないことのほうが多いはずです。電話を10回・20回かけても会えないよりも、手紙を書くことに1時間・2時間向き合うことのほうがよっぽど価値があります。仮にお会いできなかったとしても、(少なくとも電話よりは)自分の存在を伝えることができているはず。

ファクトリエのアドバイザーになっていただいている方々は、なかなかお会いできないような方ばかりです。しかし手紙がきっかけとなり、15分だけ会う時間をもらえて、いつの間にか1時間、2時間と話を聞いていただき、話が盛り上がるケースは多々あります。

この姿勢はお客様に対しても同じで、ファクトリエで商品をご購入いただいたお客様には私やスタッフの直筆のお手紙を毎回添えており、とても喜んでいただいています。

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(工場からの手紙とファクトリエからの手紙)

すべてのコミュニケーションを手紙にすることはさすがに難しいですが、想いを伝えるここぞという時は、時代に逆行するアナログな方法が大切かもしれません。