カミングアウトから4カ月、私が学んだこと。(LGBT)

この4カ月間の私の経験は、驚くべきものでした。
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このブログは、ケイトリン・ジェンナーが、アメリカの雑誌「WhoSay」に連載中の「本当の私」シリーズの一部を転載。シリーズではLGBTの人々と課題について取り上げている。

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「私はケイト (原題: I Am Cait) 」の最終回を終えて。プロデューサーやクルーたちとお祝い。

こんにちは、みなさん。ケイトリンです。テレビ番組「私はケイト」のファースト・シーズンが終わりを迎えます。自分のこれまでの旅を思い返してみて、どれだけ実りあるものであったかをひしひしと感じています。

この4カ月間の私の経験は、驚くべきものでした。たくさんの人々が私のところにやってきて、彼や彼女たちの様々な物語を私に語ってくれました。そしてみなさんの友だちや家族の一員の多くが、トランスジェンダーであるということがわかりました。そのことを(周りの)誰かは知っていましたか? 私の場合、もし自分が公の場でカミングアウトしないまま、嘘をついた生活を続けていたとしたら、これらの会話をすることは一度もなかったでしょう。

長い間、人々は、私も含めて、トランスジェンダーについて話すことは、すごく恥ずかしいことだと思ってきました。今になって、私たちはようやくオープンな対話を始められるようになったのです。これは素晴らしい前進だと思います。

4カ月で学んだことだけでも、小説が1冊書けそうなくらいですが、私は以下のことをみなさんと共有したいと思います。

最初に、トランスジェンダーのコミュニティに受け入れてもらうまで、今まで一度も、ありのまま自分を受け入れてもらう機会はありませんでした。私の経験は、社会の規範からは全くかけ離れたものだったかもしれませんが、この団体は、私を抱きしめて歓迎してくれました。私は生涯、彼らや彼女たちに感謝することでしょう。

新しい友だちとの会話(そのほとんどは番組で放送されました)は、私の性転換後の人生の中でも、とくに好きな思い出です。ジェニー・ボイラン、キャンディス・ケイン、シャンディ・ムーア......。彼女たちに出会えたこと、そしてアドバイスをもらえたことを、すごく嬉しく思っています。

彼女たちのおかげで、私は(トランスジェンダーの)コミュニティについて、多くのことを学びました。たくさんのトランスジェンダーの声が、「私はケイト」の一部になりました。これは私にとって、すごく重要なことなのです。

視聴者の方々には、物事にはいろんな見方があるのだということを知ってほしいと思いますし、(当事者の人たちが)自分の性にオープンであることに、どれだけ感謝しているか――うまく伝えることができません。

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新しい友だちと一緒に。ケイトリンの命名式にて

そんな素晴らしい女性たちが教えてくれた多くの教訓のうちのひとつは、「みんなはトランスジェンダーであるけれど、お互いに違う考えを持っている」ということです。身近にいるトランスジェンダーの人たちと一緒に、それぞれの視点についてオープンな対話をすることは重要です。トランスジェンダーであるからといって、ひと括りにして考えないことです。

でも、私が"興味深い"とか"素晴らしい"と感じたからといって、すべてのトランスジェンダーが同じように思ったり、違うと思ったりすると言ってるわけではありません。私は個人的な経験によってのみ語れるのであって、トランスジェンダー・コミュニティ全体の代弁者となれるわけではもちろんありません。私の意見は、「みんな決まって、同じ理由でトランスジェンダーになるわけではない!」ということです。

おそらく、私にとって最もショッキングで驚いたことは、トランスジェンダーのコミュニティが直面している課題の多さでしょう。私自身は、性転換を終えるまで、一度もトランスジェンダーの人たちと会ったことはありませんでした。職場での差別、風俗店での労働、社会からの追放、恐ろしい暴力......。本当の自分として生きていくことで、どれほどの危険や困難が伴うのか、何も知りませんでした。本当に信じがたいことです。

私は、完璧からほど遠いですし、間違えることもたびたびあります。それでも、このコミュニティの素晴らしい人たちを支援することを、人生の目標にしました。トランスジェンダーの権利は、ゲイの人々のそれと比べて30年ほど遅れています(ゲイの人たちの権利が、驚くべき発展を遂げたということもいえるのですけどね!)。トランスジェンダー・コミュニティのためにやらなければならないことがたくさんありますが、課題の解決に少しずつ近づいています。シャンディが私に思い出させてくれたように、「それぞれの魂を救済しなければならない」のです。

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友だちと一緒に、イギリス人ミュージシャンのボーイ・ジョージと面会。

私もつい最近知って、受け入れたばかりのことを、みなさん一人ひとりに理解してもらいたい。それは「違っていてもOK」ということです。実際、それは素晴らしいこと! でも、慣れるのにある程度の時間が必要だということも理解しています。私も多くの人たちと同じように、同性カップルにとって結婚する権利を持つことが、どれほど重要なのかを理解していない時期がありました。

しかし、ゲイの友だちから話を聞き、直面する差別や困難を知ったとき、それが誰であれ、自分が好きな人と結婚するべきだということが、私にとって明確になりました。自分の物語をみなさんとシェアすることで、トランスジェンダーに対するみなさんの考え方が変わっていくのを望むだけです。

あなたがトランスジェンダーであろうとなかろうと、生きている間に戦わなければならないことがあります。障害を乗り越える勇気を持つこと、そして本当の自分になろうとすることは、人生で起こるあらゆる問題に対処するための素晴らしいプロセスです。あなたには、自分自身を信じてもらいたいのです。そして、あなたが自分で解決できることを知ってもらいたいのです。「あなたのままでいて平気なのよ」ということを。

多くのみなさんが、次にやることを書いたり聞いたりしてくれました。私は、ちょっと一休みするつもりです。一人の人間として成長し続けることを望みます。いろいろな意味で、様々なことを知ってしまった10代の少女のような気持ちです! 女性であることが自分にとってどんな意味があるのか、今でも思いを巡らしています。これからも、考えつづけていくつもりです。なぜだかわかりますか? とっても楽しいからですよ!

旅を続けましょう...

またお会いしましょう。

ケイト

このブログはハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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