ゲイで、移民の子供で、わずか38歳の首相。アイルランドで誕生へ

「私が選ばれたことに意味があるとすれば、それはこの国で偏見は支持されないとはっきり示したことです」
|
Open Image Modal

アイルランド次期首相に選ばれる見通しとなったレオ・バラッカー氏(Photo by Artur Widak/NurPhoto via Getty Images)

アイルランドで初めて、同性愛者であることを公表する首相が誕生する見通しとなった。

次期首相に選ばれることになったのは、ゲイをカミングアウトしているレオ・バラッカー社会保護相。6月2日の与党・統一アイルランド党の党首選で勝利をおさめた

Open Image Modal

(PAULO NUNES DOS SANTOS/AFP/Getty Images)

バラッカー氏が注目を集めているのは、同性愛者を公表している点だけではない。

バラッカー氏は38歳。アイルランドで史上最年少の首相になる。5月にフランス大統領に選ばれたエマニュエル・マクロン氏より1歳若い。

また父親はインド出身の移民であり、移民の親を持つ初の首相になる。

ロイターによると、勝利演説でバラッカー氏は次のように語っている。

「私が選ばれたことに意味があるとすれば、それはこの国で偏見は支持されないとはっきり示したことです」

「私の父は、新しい家庭をつくるために5000マイル離れたアイルランドにやってきました。その時、自分の息子がこの国のリーダーになるとは、夢にも思わなかったでしょう。また、周りとは違う息子が、生まれではなく行動で判断されるとも考えていなかったと思います」

「アイルランドでは、子供たちはどんな夢をみることも可能なのです」

Open Image Modal

(Photo by John Rooney/Pacific Press/LightRocket via Getty Images)

アイルランドでは2015年、国民投票を経て同性婚が合法化された。

バラッカー氏は国民投票前に同性愛者であることをカミングアウトしていて、「(同性愛は)私にとって大したことではないのです。そうあるべきでもありません」と、アイルランド公共放送RTÉのインタビューで語っている

BBCによると、バラッカー氏の父親はインドのムンバイ出身。職業は医師で、看護師だったバラッカー氏の母親とイギリスで出会った。その後母親の故郷アイルランドに移住し、1979年にバラッカー氏が生まれた。

2011年からアイルランドの首相を務めていたエンダ・ケニー氏は66歳なので、28歳若い首相の誕生となる。

アイルランドでは、同性愛は1993年まで違法だった。それから22年で同性婚が合法化され、24年で同性愛の指導者が誕生することになる。

オンラインマガジン「Bustle」によると、これまでに同性愛を公表している国の指導者は3人しかいない。ルクセンブルグのグザウィエ・ベッテル首相、ベルギーのエリオ・ディルポ前首相、そしてアイスランドのヨハンナ・シグルザルドッティル元首相だ。

アイルランド議会で6月13日に首相として正式に承認された後、バラッカー氏は4人目の同性愛を公表する国の指導者となる。

▼アイルランド、同性婚に「Yes!」(画像集)▼


※画像集が表示されない場合は→こちら